[投書] 言わせて聞いて1223号
「哀しみ」を知ることが「平和への祈り」につながる●兵庫・藤田雅子
靖国神社について、日本人として、今、説明が求められている。ドイツにもこういった時期があった。
問題になっているのは、「哀しむ能力さえも失った集団現象」へのアジア人の怒りなのだ。「哀しむこと」を知ることこそが、「平和への祈り」につながることなのだと再度繰り返したい。
慰霊の地を国民の側から守ろうとする傾向が出てきたことは事実であろう。その出所がどこであろうと、国として、日本国民として明快な解答を出す時期にきていることは確かである。奉られている人を一人一人とりあげてみれば「世界制覇の妄想にとりつかれて、国を廃墟にし、軍事的名声のために、多くの人々を犠牲にした」人々がいるかもしれない。しかし、六〇年たった今、戦没者の遺族達に、その死の無意味さや絶望感を味合わせないためにも、我々国民は国民全体の罪として捉え、不戦の誓いをすることこそが取るべき道だと思う。靖国問題は蓋をすべき問題ではなく、この蓋を敢えて開けて、永遠に閉じるべきではない。調和できないものを調和させようとしているのでもなく、多くの痛みを受けたアジアの人々を拒んでいるのでもないことを知ってもらう必要がある。
問題はその説明の仕方である。ドイツがしたように、政治やイデオロギーの臭いのするものは避けなければならないことは言うまでもない。人間生来の倫理観にマッチする言葉で、心の琴線に触れるものでなければならない。
次に我が国の神社の由来である。専門家ではないので、疑問もあろうが、神社というのは、その理由がどうであれ、不本意な死を遂げた人々の魂を慰めるために建立されているように思う。歴史上の事実に基づいており、長い年月を経て、多くの庶民が哀しみにつけ喜びにつけ訪れた心の具現体としての建物である筈で、建物を通して、心の軌跡が後世に語り伝えられている場所でもある。
不本意を死を遂げた人々を奉るがゆえに、訪れるに値し、残すに値する。もし、これが軍国主義というイデオロギーの記念碑ならば、国内外の人々の訪問に値しない。靖国神社に奉られている人々は我が国の歴史上忘れてはならない大事件に関わった人々なのだ。それ故に後世にまで語り継がれ、残さねばならない神社の一つだと考える。
最後に、国家元首が靖国神社を訪問することは、当人は「不戦の誓い」をするつもりでも、外国には「ドイツの国家元首がヒットラーの前で跪いている」としか、現時点では、映らないのだ。御霊の追悼の仕方はその民族の文化に属する問題なので、国民に任せて、国家元首がすべきではない。
「人を罰したい人間を信頼するな」●大拘・北谷隆
私は高裁へ「控訴趣意書」を提出したところです。
「審理不尽」を理由に、原審裁判所が一貫して精神鑑定の必要性を否認している点について、その公正性を争うものです。
本人は法廷戦術として「心神喪失・耗弱」を主張している訳ではない。アル中による精神障害者も他の病気同様に医療的保護を受け裁かれたいと思っている。
しかし、検事の「論告要旨」にもあるように、「近年刑法犯の認知件数の増加、特に殺人事件の凶悪・重大犯罪の増加傾向は顕著なものがあり、我が国の治安水準や国民の体感治安が悪化している」から、また被害者の報復感情に迎合し、本件の如き殺人事件も厳罰に処する必要があるとのたもう。
そんなことだから、検事の肩を持つ連中も、「アルコール中毒は関係ない」と公言し、刑法第三九条(責任能力規定)の判断基準をねじ曲げ、本件精神鑑定の実施を拒むことぐらい至極朝めし前なのだろう。
ニーチェもいう。「人を罰しようという衝動力の強い人間たちには、信頼を置くな!」と。
その証拠に、大拘でも頭の可笑しいシャブ犯が起訴されていたり、明らかに精神遅滞とされる人らが次々に送られてきているため、他の収容者も「精神病院と間違ってんじゃないのか」等と噂している。
いずれにせよ、政府の厳罰化政策「犯罪に強い社会の実現」なんて、地球ごとひっくり返してやる。
小泉よ、やることは他にあるぞ!●仙台拘・佐藤芳紀
私は、今の日本国を見てすごく不安になります。自国の首相が「郵政民営化によって社会が変わる」などとアホな事言ってるし、外交面では我が国民の血税を湯水のごとく諸外国に支援という形でご機嫌とるかの様に、何億円も使い、また米国にはイエスマンのごとくイラク派兵をして何の意味があるのか?日本は戦争を二度としないと誓い、今があるのではないのか?
人と人が争い戦争をして何が残るか…それは悲しみです。殺し合いしても何の解決にもなりません。
「もっと日本国民に眼を向けろ 日本には問題が沢山ありそれを解決しなさい」と馬鹿な首相に言ってやりたい。
訳の分からん法律や新制度作ったところで、国民が理解してなければ、ただのかざりになってしまうだけだと私は思う。
ああ、明日の日本はどうなるのか?…アホ小泉君!