更新日:2005/10/07(金)
[社会] 何のため?!監視社会の国勢調査
自治体からも「見直し」意見
五年に一度の国勢調査が、一〇月一日から行われる。
国勢調査は、以前から多くの問題点が指摘されている。大阪府豊中市は、前回(二〇〇〇年)の調査の終了後に「国勢調査は廃止も含め根本的な見直しを求める」とする内容の意見書を国に提出した。
意見書は、「生活環境や住民意識が大きく変化している現代ではすべてにわたり矛盾が生じ」ていると指摘。@人口・世帯の把握は、住民基本合帳と外国人登録人口で判断可能。A就業状態については「就業構造基本調査」などで、住宅の状態の把握についても「住宅・土地統計調査」結果を利用すればよい。B把握できない項目のみをサンプル調査すればよい。C世帯のプライバシーを重視する上で、調査員による調査票回収という形は問題があるので、世帯に提出方法が選択できるようにすべき(回収率は見込み約三〇%程度で可)──と提言を行っている。
「国勢調査の大きな問題点は、それが全国一斉の『アパート総ローラー作戦』だということです」と豊中市会議員の一村和幸さんは語る。「調査に応じなければ、『調査協力せず』のデータが残されるでしょうし、外国人ならば、『アルカイダか 』なんてレッテルを貼られたりする可能性だってあるんです」。
この「アルカイダうんぬん」の話はあり得ない話ではない。一九八三年、西ドイツ(当時)で国勢調査が予定されていた(ボイコット運動の高まりで中止)。ミュンヘン市では、調査員に対して住民登録の届け出をしていない外国人を見つけると五マルク、ドイツ人ならば二・五マルクの報奨金が出されることになっていたという。報奨金はともかく、「不法滞在」の外国人労働者や住民登録をしていない人びとを「あぶり出す」調査になっていることは疑いない。
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