更新日:2005/09/30(土)
[海外] パレスチナ/アラファトのいとこ殺害される
『ザ・ガーディアン』九月八日付 コーナル・アークハート
元治安部隊の隊長で、故ヤセル・アラファトのいとこであるムーサ・アラファトが、数十人の武装集団によって殺害され、ガザにおける自治政府権威への重大な挑戦となった。ムーサ・アラファトは、パジャマ姿のまま屋敷の外の街路へ引きずりだされ、頭部に二〇発の弾丸を撃ち込まれた。武装集団は、ムーサ・アラファトを「腐敗官僚でイスラエルと手を組んでいる」と非難し、殺害した。彼らはムーサの息子マンハール・アラファト(三〇歳)を誘拐、「もし息子も腐敗・堕落に関与していることが判明すれば処刑する」と言っている。
イスラエルのガザ撤退を受け、パレスチナ自治政府のガザ統治能力を世界に示そうとしている矢先に起きた事件で、〈ガザ地区では武装民兵が好き放題に行動している〉という印象を世界に与えたといえるだろう。
自治政府は大量の警察部隊をガザ回廊に配置しているが、ガザのイスラエル人入植者との戦いを行なってきた民兵グループに比べると、人民の間での人気や信頼は低い。アッバス大統領側近筋によると、ムーサを殺害した武装民兵はアッバスが長を務めるファタハのメンバーらしいので、議長としても強硬手段をとらざるを得ないと考えているようである。
この武装グループは「人民抵抗委員会」(PRC)と名乗り、ファタハ民兵が主力メンバーだが、イスラーム主義民兵も含まれている。
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