[政治] あなたの街で「戦争動員計画」策定中
米軍支援の有事法制が具体化へ
ブッシュの「反テロ戦争」は、日本にも大きな影響を及ぼした。小泉は米軍支援のための、法律の整備に着手。昨年六月に可決された「有事関連七法」(@外国軍用品等海上輸送規制法、A米軍行動円滑化法、B自衛隊法改正、C特定公共施設利用法案法、D国民保護法、E国際人道法違反処罰法、F捕虜等取り扱い法)もその一つである。
これら七つの法律のうち、「特定公共施設利用法案法」「国民保護法」は、既に昨年九月に施行され、地方自治体は、「国民保護計画」を定めるように義務づけられた。
今年度中に都道府県レベルで、来年度中には市町村で計画作成というタイムスケジュールで、現在都道府県は、作業を進めている。
国民保護法は、地震・台風などの自然災害よりも、有事への対応を前面に押し立てており、「武力攻撃事態」を四つに分類して「対策」を講じるとしている。
@航空機や船舶により地上部隊が上陸する攻撃…原発等が破壊されたり、石油コンビナートやガス貯蔵施設が爆破されるケース。Aゲリラや特殊部隊による攻撃…大規模集客施設、ターミナル駅や新幹線が爆破されるケース。B弾道ミサイル攻撃…核兵器や化学兵器(サリンなど)・炭疽菌等が使用されるケース。C航空機による攻撃…九・一一のように交通機関を使った「自爆テロ」のケース。
まず問題なのは、国が「武力攻撃が予測される」と判断すれば、「保護措置」がとれることだ。水面下で米軍が「GOサイン」を出せば、住民にとっての避難・救援や安全確保は二の次で、有事における国民・地方自治体・医療従事者や電気・ガス・水道などのライフラインに関わる事業者を動員できることだ。
米軍や自衛隊が必要と認めれば、陣地を設営するために民有地を接収したり、港湾・空港などを優先的に使用したり、自治体や病院や交通・運輸機関の労働者に対して、米軍・自衛隊に協力させる強制力を持っている。労働者が戦争協力の命令を拒否すれば、解雇することが許されているなど、思想・信条の自由を侵すという側面も見逃せない。
根本的な問題は、この国民保護法が、アメリカの世界戦略に組み込まれたところで立法され、施行されることだ。
小泉は「テロとたたかう用意ができている」などとうそぶいていたが、ブッシュの道連れにされてはたまらない。