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イスラエル軍の戦車に投石器で対峙する少年(ガザ)
更新日:2005/08/28(日)

[海外] パレスチナ/シャロンのホラーショー
──7月2日 ウリ・アブネリ 翻訳/脇浜義明

世界中がテレビ中継されたその恐怖劇を観た。パレスチナ人少年が意識を失って地面に倒れている。イスラエル兵が上からかがみこんで少年を見ているが、どうしてよいか途方にくれた様子。

その背後から、入植者が、怪我で昏睡状態の少年の頭めがけて石を投げる。もう一人の入植者が兵士を押しのけるように近寄ってきて、至近距離から大きな石を少年の上に落とす。ひげ面の医者が、たぶん入植者らしいが、近寄ってきて、ちょっと躊躇したが、周囲の入植者少年・少女が「そいつをそのまま死なせろ!死なせろ!」と合唱する声に押されるように、その場を立ち去った。

この光景が起きる前、入植者の一群がガザ海岸にあるパレスチナ人の家屋を占拠、そこを「前哨地」にして陣を構えた。新築三階建ての家で、所有者はまだ入居していなかった。家の外壁に、入植者が大きな文字で、「モハメッドは豚だ」と落書きをした。イスラム教預言者モハメッドのことである。やがて「前哨地」入植者と付近のパレスチナ住民の間で投石合戦が始まった。真ん中に入ったイスラエル軍は、パレスチナ人の方に威嚇射撃をしたが、暴動を起こした入植者に向かっては何もしなかった。

その二日前、軍のブルドーザーが、何年も昔にエジプト人が建て、今は廃墟になっている建物を除去する作業をやった。入植地解体の前兆と見た極右団体の若者がブルドーザーに飛び乗り、部品を壊したり、それを止めようとした兵士の顔を蹴飛ばしたり、困惑した顔で立っている兵士を罵ったり、揶揄したり、乱暴の限りを尽くした(二年前、二三歳の米国人女性平和活動家レイチェル・コリーが、パレスチナ人の家を破壊しているブルドーザーの前に立ちはだかった時、ブルドーザーは彼女を轢き殺した)。

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