更新日:2005/08/17(水)
[情報] 問題点山盛りの扶桑社教科書/「理想の家族」って4パターンだけ?
──兵庫 K.Y
来年度使用の中学校の教科書採択が問題となっている中、教科書展示会へいってみた。まず、問題の扶桑社発行の公民教科書を手にとり表紙をめくると「世界中で活躍する日本人」と題し、スポーツ選手・ノーベル賞学者・演奏家など男性ばっかりの写真が名前入りで紹介。自衛隊員が道路補修する写真も掲載。唯一、女性の活躍といえば海外で医療活動する二人の写真のみで、名前はない。男性が名前入りで華々しく紹介され、女性は名もなく健気にボランティアやってますって感じ。まるで、戦争で活躍する軍人と銃後の守りを想像させた。
他社の教科書と較べてみれば?
気を取り直して他社の東京出版の公民教科書の表紙をパッと開くと「共に生きる」と題し、点字が一部使用された地図が紹介されていた。中学生がこの教科書を手にとって点字に触れ視力障害者のことを理解するきっかけになるだろうと感心した。
もう一社は表紙をめくると、同じ写真でも世界で活動している植林などのNPOグループの姿だった。
扶桑社の方は、優秀な日本人(それも男性)が世界を舞台にしているのに君たちも続こう!というメッセージ。他社は、人と人や社会との関係、共に生きる、助け合うというメッセージと読める。「公民」のそもそもの教育的意味はなんだったんだろうか。
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