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7月8日の緊急集会は、「ロンドン同時爆破事件の犠牲者追悼」「反戦」「イスラム連帯」をうたった平和集会となった
更新日:2005/07/30(土)

[海外] 英国/ロンドン同時爆破事件現地レポ

同時攻撃当日のロンドン 被害者意識と拝外主義の扇動

七月七日「G8サミット」開催の午前八時過ぎ、朝のラッシュで混雑ピーク時のロンドンで、地下鉄車両三台とバス一台が爆破され、ロンドン市内の交通はストップ。しばらくは、何のアナウンスもなく、昼近くから「同時テロ事件」として報道が開始された。死傷者六〇名前後、負傷者七〇〇人という規模の惨事である。

英国首相ブレアは急遽、「G8」会議を離脱しロンドンへ戻った。TVのコメンテーターはそのことで「『G8』を標的にした犯人グループの目的は達成されたのではないか」と語った。ブレアと英国女王エリザベスは、ともに「彼らは英国の生活・文化を奪おうとしている。しかし、私たちは負けない」という論調の声明を出した。英国自らが戦争を仕掛け、アフガン・イラクの人々の生活・文化を奪っているのに、そのことへの考慮はなにも示さない声明で、国民を「テロ被害者」に組織していこうとする政治的意図が見え見えである。昨日まで「アフリカの貧困をなくそう」とキャンペーンを張っていたテレビは、突然「テロ糾弾」の番組に様変わりした。「アフリカ救済」と「七・七ロンドン同時爆破事件」の間にある問題をすり落として、突然、イギリスを被害者とした報道を揃って始めたのである。ある番組は、イスラエス・テルアビブ市内のかっての自爆攻撃現場のバス停から中継を送り、「イスラエルのように警備を強化しなければいけない」とのアナウンスを行った。ラジオ討論や町の声の紹介では「イスラム教の『クレイジー』な連中が、無差別に異教徒を自爆テロで攻撃している。イギリスからイスラムや外国難民を追い出そう」という論調があふれ、昨日までアフリカ救済を訴えていた「慈悲深いイギリス人」のある部分は、今日は「被害者意識に依拠した排外主義の白人」に戻っていた。

そんな排外主義的な声が起こってくる中で、スコットランドでのG8抗議行動からロンドンに戻ったばかりの反戦派の人々は、同時爆破事件の反動を予想し、すぐに反戦・反宗教差別・反人種差別・反イラク派兵の行動を準備した。

事件翌日、八日午前二時に最初の行動提起「八日午後五時に集まろう」のイーメールが打たれた。「ストップ・ザ・ウォー連合」「CND反核軍縮キャンペーン」そして「英国イスラム協会」の三者主催で、被害者を追悼し、爆破事件発生におけるブレアの戦争遂行責任を追及し、英国在住のイスラムの人々と連帯することを目的とした集会を、キングスクロス駅の爆破現場近くの広場で開催しようとの呼びかけであった。

私たち(日本)のグループは地下鉄乗車時からパレスチナ連帯のハッタ(イスラムの格子模様の布)を巻き、カーネーションを手に集会へと向かった。電車の中ではイスラムのシンボルであるハッタはよく目立つ。乗客の視線が気になるが、イスラムの日常の服装をして生活している人々の不安が少し分かった。同じ駅から乗車したイスラムのスカーフをした若い女性が、私たちのハッタを見て、気のせいか、安堵してくれたような気がした(実は後で同集会で彼女を見つけた)。

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