更新日:2005/07/20(水)
[コラム] バリアのない街8「福祉現場の「寿退職」」
──遥矢当(はやと)
六月に入ると、私の元にはかつて勤務した福祉施設で働いていた女性達から、結婚の報告が寄せられる。先にこのコラムで取り上げた都内の養護老人ホームにいた頃も、「もう少し仕事を続けたいのだけれど、結婚が決まったから辞めなきゃいけないじゃないですか。そうなると目指してきた資格(=介護福祉士など)が取れなくなる」という相談をされたことがある。
勤続三年という時期に結婚を迎えた彼女は、女性としての幸福を職場に祝福してもらえなかったのだ。おそらく彼女は、仕事と結婚が両立できるなら、喜んで勤め続けたはずである。私も続けて働いてもらいたかった。けれど当時の職場の先輩や上司は、相談に乗るわけでもなく、「結婚するのだから仕方が無い」と半ば諦めていたのだ。
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