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更新日:2005/06/11(土)

[海外] パレスチナ/空虚な平和論議と何も変わらない現地
──五月一一日 カスパー・ルントベルグ(ISM〔国際連帯運動〕)

はじめに

空虚な和平論議や、ガザ地区撤退案で極右と対立して穏健派イメージを演出したシャロン賛美が飛び交う一方、パレスチナ現地は以前とほとんど変わらない。日常生活のインフラは相変わらず破壊され、行動も束縛されたまま。

「テロリストから祖国を守るためにここにいるのだ」と、ヘブロンのチェックポイントのイスラエル兵が僕に言った。

「じゃ、君はヘブロンでたくさんのテロリストを見たんだね?」と僕は質問した。

僕はパレスチナへ来て二ヶ月になるが、いまだに一人のテロリストも見ていない。故郷を出る時は、テロリストのことをいやほど聞かされたのに。そのかわり、故郷で聞かされなかったものをたくさん見た。チェックポイントがその一つだ。

先ほどから壁にもたれて、渡した身分証明書の返却を一時間近く待っている五人のパレスチナ人青年がテロリストだろうか?そんな様子はない。「待たされるのにはもう慣れたよ」と一人が僕に言った。「ここのチェックポイントでは、以前みたいに殴らなくなっただけマシだよ」。以前は小学生が殴られ蹴られ、血だらけになって登校してくることがよくあった、と言う。

「迂回すればチェックポイントを通らずにすむじゃないか」とイスラエル兵に言うと、「あいつらはバカだからそうしないんだ。そりゃ時にはうまくやるけれど、たいていはそんな風に頭が回らない連中だ」と答えた。

少し手間をかけ、多少の危険を覚悟すれば、チェックポイントは迂回できる。それにチェックもかなり気まぐれでずさんだ。エルサレムの北にあるあの大きなカランディア・チェックポイントも、荒地を抜けて迂回できるし、あそこは何列にも並ばせてチェックするが、金属探知機を使う列と使わない列がある。どちらの列を選ぼうとこっちの勝手なのだ。どうも「テロ対策」とか「治安」がチェックポイントの目的ではないように思う。

命すら奪うチェックポイント

「占領国家」の姿を見せないイスラエル

イスラエル財政救済のためのガザ撤退

兵士との会話「ここは祖国だ」

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