更新日:2005/05/28(土)
[コラム] バリアのない街第6回/介護現場の「性」「結婚」
前回のコラムで採り上げた、私がかつて勤めた養護老人ホームは、入居者同士の入籍・結婚があった事でマスコミの話題になった。お二人の人生に対する積極さに、まずは敬意を表すべきであろう。共に以前夫や妻に先立たれ、独り身になった上で入居されたお二人であった。
そんな老いらくの恋に関心を持って取材に来たのは、常に話題を呼ぶ写真週刊誌Fのカメラマンであった。確かに絵図としては、皆さんに見て頂きたい幸せな場面であるが、当時の写真を振り返ると、彼らの新たな門出は「好奇」の視線から逃れていない気がした。恐らく、カメラマンの観点が「老人ホームでは有り得ない事」という偏見から出ていなかったのだろう。
ちなみに生きる勇気を得たお二人は、更に一〇年という充実した時間を手に入れ、それぞれ人生を全うされた。
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