[情報] フリーター・ワカモノ・失業/みんなしゃべりたいことがたくさんある
──中桐康介(長居公園仲間の会)
何とかしようや!の集い
四月二九日に、大阪で「フリーター・ワカモノ・失業 何とかしようや!の集い」をもちました。私たちは昨年春に「ブレッド&ローズ」(ケン・ローチ監督、二〇〇〇年)の上映会を持ち、フリーターや派遣など多様な働き方が一般化するのにともなってさまざまな問題が立ち上がってくる中で、自分自身の「生き方」「働き方」から考えていこうと「集い」を準備してきました。私自身は二〇代のフリーターで野宿者運動に取り組んでいますが、集いを呼びかけた仲間は五〇代のフリーライター(自称・元祖フリーター。彼自身の子どもが「非正規雇用」である)や、四〇代で民営化に揺れる郵便局員(彼もまた「フリーター世代の親」)、大学生や三〇代フリーターといった、さまざまな立場でありながら、「何とかしたい」という思いだけを唯一の共通項に集い、議論を重ねてきました。
「フリーター」の問題は、いくつもの課題が重層的に絡み合った問題として表出しています。ひとつは「低賃金・不安定」という雇用形態の問題。これは国際競争の激化の中での低コストの実現という企業サイドの要求を背景にしています。
また、年金制度の崩壊や、税収の減少という社会システムの危機といった問題、さらにひきこもりや「ニート」の増加にあらわれる、社会的セーフティネットの喪失による「社会的排除」の問題も指摘されています。フリーターから野宿生活にいたる若い労働者も増加しており、深刻な問題です。
若い人だけの問題ではなく、「親世代」にとっても切実な問題ですし、これから増加するであろう三〇代四〇代のフリーターにとっては一層深刻です。
一方で政府・行政は、「ジョブカフェ」など、新自由主義原理にのっとった「若者・フリーター対策」に着手しており、状況はますます厳しくなっています。
このような複雑な問題に対し、「答えは見えないけれども、とにかくこのままではマズい、何とかしよう、話し合おう」の思いを共有する仲間で集い呼びかけたのが、今回の「集い」です。
当日は私たちの予想を上回る五〇人の参加があり、「フリーター問題」への関心の高さを実感しました。「集い」は前半部分をパネルディスカッションで、後半は参加者からの意見に答えるという形でもちました。