[投書] 言わせて聞いて1210号
今の社会構造では隣の火事にも水は出せない●匿名希望・H
今朝、テレビで脱線事故の特集を観ていた。
その電車に乗り合わせていた運転手二名が救護を手伝わずに逃げ出したと怒っているものであった。
でも、この怒っている人はサラリーマンの経験がないのだろうか?
この脱線事故を、企業戦士が誰でも抱える問題として取り上げたい。企業の存続繁栄をかけ、生き残りを常に訓示されるサラリーマンの心情からして、起きるべくして発生した事故と思われるし、逃げ出したと言われる二名も然りである。
隣が火事の時に会社の水道設備を使うにあたり、上司の許可を取らねばならない事を、怒っていた人は知っているのだろうか?また、その上司はその上に、つまり最終的には社長の許可がなくては、隣で燃えている火を消すのに水はやれないのだ。
その前に人間性を問われるであろう。それは、一般的な事で、当然怒りの対象となるであろうが、正しい事を正しく行う行為を剥奪している社会構造になっている事が、色々な社会問題を生じさせている。
学校でも、教育者がサラリーマン化している。
上司に嫌われたら一生損する立場にある。日本をこういう社会に作り上げた事から、考え見直して欲しい。
中国の若者の反日感情は、いま作られたものではない。戦争記念日を設けて、年に一度中国全土で一時間に渡り、日本が何をしたかの教育があり、教科書も五〇頁を超えて日本への怒りを教えている。
先に述べた日本の歪んだ社会構造も、教科書はなくとも自然と培われてきた結果であると考える。JR西日本だけでなく、日本人のあるべき姿として考える必要があろう。
国労は今こそ存在感を示せ●木坂春雄
「合理化・利益優先の結果、安全性が軽視される運営がなされるのではないか」という懸念こそが、分割民営に反対し続けた国労の主要な見解のうちのひとつだったはずだ。今回の事故は、分割民営化後に国労が想定していた最悪の事故といえる。
事故の原因を運転手個人の問題にすりかえるキャンペーンをはねのけて、分割民営推進側の組織的犯罪性を暴き出すような行動を、今こそ国労は繰り広げて欲しい。