[情報] 在日朝鮮人インタビュー/ダイレクトな交流を通し今年を民衆の祖国統一の元年に
編集部より
今年はかつての日本帝国主義が敗戦から60周年という節目の年だ。教科書検定問題や独島(竹島)問題では、かつてのアジア侵略・植民地支配に対して隠蔽・美化する動きが、民族排外的ナショナリズムと呼応する形で強まっている。また、自衛隊がイラクに派兵され、「反日デモ」という形でアジア民衆から決定的な不信感を突きつけられている。
在日韓国青年同盟(韓青同)は1960年10月に結成され、日本の地で在日同胞の権利擁護と、祖国の反独裁民主化闘争や自主的平和統一のために活動を続けてきた。
2000年6月の「6・15南北共同宣言」に象徴されるような、朝鮮半島の統一気運の高まりと、日本における靖国参拝や歴史教科書の検定問題などに見られる日本の反動化の中で、在日の人々を取り巻く今どのような取り組みをしているのだろうか?在日韓国青年同盟(韓青同)大阪府本部の委員長である、高銖春さんにインタビューした。(編集部 小比類巻 新)
在日韓国青年同盟(韓青同)大阪府本部の委員長 高銖春(コウ・スチュン)さんインタビュー
──いま、在日朝鮮人が置かれている状況について教えてください。
ひと昔前までは差別が直接的でした。そういった差別にあうことで、いわば『負の民族意識』が育っていったわけです。そこで韓青同に来て、負の民族意識だったものが『あぁ、民族ってこんなに素晴らしいんだ』と民族意識に目覚めていく、というのが一般的な流れだったんです。
もちろん、今も差別はあるんですが、一方で『差別されたことがない』という若者が増えてきていますね。
でも『差別されたことない』って言うけれど、本名を名乗った時に、差別が明らかに出てくるんですね。『自分が朝鮮人である』と明らかにした瞬間、どうなるのか?ということを経験したことがないから、まず若い人にとったら、そういった民族差別の認識から始まっていくんです。
──靖国・歴史教科書問題など、日本の反動化が進んでいますが。
すごく怖さ、危険さを感じますね。日本の上層部が考えていることが、本当にスイスイ通っていく社会になっていくので、今後日本がどういう国になっていくのかについてすごく危険を感じています。
かつて日本が朝鮮半島を植民地化する過程で、日本が領土化した問題についてどう考えるのか、という問題ですし、それを正当化するのは、朝鮮が一九四五年に解放され、独立したにも関わらず、その歴史を否定することです。だからこそ、中国・韓国で反日の気運が高まっているのだと思います。