更新日:2005/05/27(金)
[社会] JR福知山線脱線事故/労働組合が機械による管理強化を要求してどうする?!
JR四労組共同申し入れ
JR福知山線の事故に対する労働組合の対応には、大きな疑問を抱かざるをえない。JR労働組合は、今こそJR資本の非人間的労働者管理を厳しく批判し、金儲け主義との決別と現場労働者の声を基礎にした安全管理をこそ主張すべきではないのか。
四月二八日、JR四労組(西日本旅客鉄道労働組合・国鉄労働組合西日本本部・ジェイアール西日本労組・建交労西日本鉄道本部)は、JR西日本に対し「四組合共同申し入れ」を行った。この中で労組側は、安全運転確保のためとして「ATS─P型などハード対策」の強化を要求している。労働組合自らが、機械による人間労働の管理強化を要求したのである。
JR福知山線の事故は、高速でカーブに入ってしまったことが直接的原因のようだが、「高見運転士は利益優先主義の会社の犠牲者」という同僚の言を引くまでもなく、JR西日本の非情な労働者管理が運転士を高速運転事故に追い込んだことは明らかだ。
運転士は、伊丹駅でオーバーランしたため電車が遅れ、焦っていた。ギリギリで組まれた今のダイヤでは、急いでもあまり時間は縮まらない。「何とかしなければ」と躍起になるうちパニックに陥り、通常では考えられない高速でカーブに入ってしまい、あわてて非常ブレーキをかけたのではないか。時刻遅れに伴う「制裁」を恐れるあまり、大幅な速度オーバーをして遅れを取り戻そうとして、事故を引き起こすに至ったのではないかと推測できる。
こうした事故原因からして、人間を「不完全な機械」として見るJR資本が、安全対策としてより高度な機械による管理を対策として提示するのは理解できる。しかし労働組合が同じ発想であっていいのか?
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