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更新日:2005/05/13(金)

[政治] 改憲の妖怪に乗っ取られた国会
──「しないさせない戦争協力」関西ネットワーク共同代表、弁護士 中北龍太郎

日常の中にある戦争

三月一九日、約四千名と共にイラクからすべての軍隊の撤退を求めるグローバル反戦行動、そして今日二〇日は、三崎亜記の『となり町戦争』を読む。今話題のこの小説は、戦争の痛みを感じることができないまま戦争に取り込まれ、戦争が終わった後、まぎれもない日常の先にこそ戦争と人の死が姿を現すことを痛切に思い知る、青年の戦争体験の顛末を描いている。「となり町どうしの戦争」という、一見ありそうもないフィクションにもかかわらず、平和憲法からイラク派兵、そして改憲へと転回する現在の風景と重なり、この小説は私たちに、戦争と日常が同居する近未来をリアルに想起させる。

新しい戦争がひたひたと近づいている、今はそう予感される時代。私は、新たな戦前という危機の認識に駆られて、グローバル反戦行動デーで次のように訴えた。

「ブッシュ政権は、二年前、『イラクが大量破壊兵器を持っている』、『テロとつながっている』と大嘘をついて、国連も国際法違反と断定した先制攻撃を強行し、イラクを占領し続けている。こんな無茶苦茶な無法が許されるはずがありません。こんな無茶苦茶までしてアメリカが狙ったのは、石油資源を獲得し、中東を支配することでした。ブッシュ政権は、帝国としての野望を剥き出しにし、イラクに恒久的な米軍基地を建設しようとしています。

帝国の野望・無法によって、すでにイラクの罪のない普通の市民一〇万人の命が奪われました。先だって、解放されたイタリア人ジャーナリストが米軍によって銃撃されるという恐るべき事件が起こりましたが、このような事件は、イラク市民にとっては日常的な出来事です。

米ネオコンと日本の改憲勢力

第二期ブッシュ政権は、ネオコン一色に染められ、ますます凶暴性を強めています。イラクを拠点に中東を支配しようとしているばかりか、さらには朝鮮戦争に備えてアジア太平洋地域にも野望の触手を伸ばそうとしています。そのために、アメリカが描く「不安定の弧」戦略の東端に位置する日本の米軍基地を再編強化し、自衛隊を米軍と一体化し、イギリス軍まがいの海外派兵戦力に仕立て上げようとしています。

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