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更新日:2005/04/10(日)

[海外] 韓国/労働市場の年齢・性差別をなくそう
──フェミニズム誌『イルダ』編集長(韓国・『マル』04年11月号より)

編集部より

韓国の労働市場は、一九九七年の経済危機を機に悪化の一途をたどっている。低年齢層の失業者が増え、不安定な雇用状態が続いている。こうした労働市場の中、今現在、問題となっているのが、女性労働問題・女性の社会進出による差別である。女性が社会で働くための障害は、まだまだ高いのが現状である。こうした問題記事を『マル』から抜粋し掲載する。(編集部・山田宜寛)

深刻な職場での年齢・性差別

韓国ほど上下関係が厳格な国はない。憲法では、年齢に伴う差別を禁じており、国家人権委員会法にも、年齢差別を禁じる条項が含まれている。しかし、年齢差別の被害は後を絶たない。例えば、韓国文化放送の新入社員の募集要綱では、男性で兵役を終えている人は一九七五年以降の出生者で、女性と兵役免除者の場合、一九七八年以降の出生者で、去年度から年齢基準を二歳づつ引き下げた。

これによって、かなりの数の希望者が入社のチャンスを失い、規定年齢を過ぎた希望者は、入社の夢を持つことすらできないのである。韓国文化放送の人事担当側は「志願者が多ければ、人事の席の確保など管理問題が大きくなり、新入社員が少しでも年齢が上の場合、人事管理的に難しくなる」と説明している。

最近の動向では、大学生・浪人生・在学中に休学している学生などは、卒業後一〜二年内に会社に入らなければ就職できない。なおかつ、女性の就職も「空にある星」と言われるような厳しい現実で、年齢が一つでも高ければ不利だ。「今年を逃したら就職できない」という学生が周りにあふれている。また、日雇いであちこちを転々としている若者たちも多い。「どんな仕事をしたいですか?」と尋ねると「フリーター」と答えるが、調べてみると、大体短期アルバイトだ。

女性の場合、このアルバイトでさえ三〇歳になると、仕事はないようだ。韓国では、順調に高校を卒業し、大学に入り、TOIECの点数を取って大学を卒業しても、就職できなければ社会から追い出される。

また、韓国系アメリカ人の友達が、韓国の会社で働いた経験があるので話を聞いてみると、「会社で一緒に働いている社員間(上司と部下)で使われている言葉使いに驚いた」と言う。会社の中では、軍隊用語が使われていたというのだ。これでは、「若い社員の良いアイデアが埋もれる場合が多く、全般的に創意力を失うシステムだ」と語る。

「低出産問題」の原因は労働市場

年齢主義による差別は、性差別・学歴差別と相まって多くの労働権を剥奪している。個人のもつ能力とは無関係に、三〇歳以上の人は願書も出せないのが現実だ。こうした現実は、女性にとって複合的な抑圧となる。

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