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更新日:2005/03/23(水)

[政治] 横田めぐみさん遺骨は≪ニセ物≫との鑑定に大きな疑い?/英科学雑誌「ネーチャー」
──岡山・片山貴夫

朝鮮共和国が横田めぐみさんのものとして渡した遺骨のDNA鑑定の結果について、日本政府が、遺骨は《ニセ物》であるとする発表を行ない、それが契機となって、《経済制裁》を求める動きが加速している。

二月一七日に岡山駅前、二〇日に倉敷駅前で、私たち岡山県の有志が《北朝鮮経済制裁反対》の街頭宣伝とビラまきを行い、「毎日新聞」(一八日)と『「山陽新聞」(一九日)に報道された。

経済制裁で犠牲になるのは、拉致に関与していない一般の朝鮮民衆であり、日本の植民地支配の被害者とその子孫である在日朝鮮人だ。

素人鑑定人「断定できない」

遺骨のDNA鑑定は、科学警察研究所と帝京大学の二ヶ所で行われた。科学警察研究所は、DNA鑑定は不可能と判断し、帝京大学は横田めぐみさんのものとは異なる二種のDNAを検出したとし、これが政府による《ニセ物》断定の根拠となっている。

しかし、鑑定を行なった帝京大学法医学研究室の吉井講師は、英科学雑誌『ネーチャー(Nature)』二月三日号に、「自分の鑑定は断定的ではない」など、以下のように語ったという。同誌よると、火葬された遺骨に関して過去に経験のない吉井氏は、「テストが断定的なものではない」こと、また「サンプルが汚染された可能性もある」ことを認めている。彼はまた「骨は何でも吸収できる堅いスポンジのようなものである。それを扱っていた誰かの汗や脂が染みこめば、どう処置しようとそれらを除去することは不可能である」と言っている。

意図的無視決め込むマスコミ

マスコミは、《ニセ遺骨》キャンペーンを煽っておきながら、『ネーチャー』記事については殆ど報道していない。(「日刊ゲンダイ」二月二六日号、「週刊現代」三月一九日号が記事を紹介したが)DNA鑑定に対する疑問が、英語雑誌によって初めて知り得るというところに問題がある。

『ネーチャー』の記事についてマスコミが知らないはずがない。二月七日の外務省記者会見、二月二三日衆議院外務委員会における首藤信彦議員の質問でも、『ネーチャー』の記事に言及している。日本政府は、遺骨を第三国で再鑑定することさえ拒否している。

「鑑定書」公表しない日本政府

遺骨鑑定に対する朝鮮政府側の反論「朝鮮中央通信社備忘録」は、『朝鮮新報』(二〇〇五・一・二七)で全文が発表されているが、日本政府側がそれに対して送った反論文書は、日本市民にも開示されていない。

日本政府の反論文書とされる「北朝鮮側『備忘録』について」を、私は読んだことがある。それには、こう書かれていた。

戦争への一里塚

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