人民新聞オンライン

[投書] 言わせて聞いて第1203号

「韓国における性風俗売買」について、読者の方からコメントを戴きました。（編集部）

『性売買』『風俗』というのは職業なのか？●山村千恵子

買春を人権侵害ととらえる見解が示され、少々ほっとしました。わずかに買春をする豊かな女性がいるからといって、又わずかに売春をやりがいのある職業として選んでいる女性がいるからといって、それをもって買春の言い訳にすることはできません。

圧倒的多数が、「金のために不本意ながら」「女性が」売春をしているという事実があるのですから。中にはご指摘のように、人身売買によって強制されている女性すらいるのです。『ＤＡＹＳ　ＪＡＰＡＮ』二月号には、新宿歌舞伎町で、外国人女性が暴力的に運び去られる場面が、何枚も映し出されています。

女性用の風俗で働く男性は、違和感なく職業として選び取っているのでしょうか？だから買春をする男性の目には、風俗で働く女性が全て「やりがいある仕事」として売春を選び取っているように見えるのでしょうか？決してそうではありません。そして、違和感なく売春している女性だけを選んで買う事など、できることではないのです。　

買春は、人格権を犯す行為です。そういう意味で、昨年韓国でとられた「買春行為と斡旋行為を厳しく取り締まる」という方針は、一九九九年のスウェーデンの「買春禁止法」に次いで、ひとつのモデルケースだとは思います。しかし、せんべい氏が言われるように職を失った女性が買春天国の日本へ出稼ぎに来るようでは、解決にほど遠いといえるでしょう。

原発をなくすのも、基地をなくすのも、私たちの大きな課題だけれど、そこで働く労働者が食い詰めるような運動では困ります。韓国でも、職業訓練や職業斡旋を唱えていますが、取締りといたちごっこになったり、日本に出稼ぎに来るようでは、売春女性に対する保護が全く不十分だということなのでしょう。両国ともに、性と人権の問題は、まだまだ宿題が多いと思います。