[海外] パレスチナ/PFLP書記長インタビュー「2民族2国家で本当の和平はこない」
──パレスチナ解放人民戦線(PFLP)書記長 アハメド・サアダト
編集部より
PFLP書記長・アハメド・サアダト氏は、現在パレスチナ自治政府に拘束されている。パレスチナ滞在中、接触を試みたが果たせず、帰国後メールで回答が寄せられた。
インタビュー
編:パレスチナ自治政府が、武装闘争停止を求めていますが。
パレスチナ自治政府の性格はブルジョア的買弁資本階級の官僚機構ですから、自分に匹敵するような軍事勢力や政治勢力が成長することを恐れます。しかし自治政府には(とりわけガザでは)その力がありません。だから自治政府は、民族的イスラム勢力と対話する方向へ傾いたのです。今自治政府は人民抵抗勢力と休戦を結ぼうとしています。我々PFLP(人民戦線)は、武装抵抗を止めるときは、占領がなくなったとき、あるいは少なくとも、占領終結への明確な日程と、国際法や国際決議の実行を含む現実的計画が成立したときだと考えています。以前の無意味な交渉へ戻るだけでは抵抗終結の条件にはなりません。
編:米軍とイスラエル軍の同一性と連携は?
町の攻略や人家密集地にある抵抗勢力本部への攻撃や市街戦にかけては、イスラエルはエクスパートですので、そのノウハウをアメリカが放っておくはずがありません。ファルージャやバクーバやラマティで行われた空爆や空からの家屋破壊などは、ラファやハーンユニスでイスラエルが行ったのと同じやり口です。しかし、イスラエルとアメリカに共通しているのは戦術面だけではありません。両方とも植民地運動から生まれ、力で奪った土地の上に国家を作った国です。彼らの暴力行使には同一のメンタリティ =他者に脅かされているという恐怖感、被抑圧民族の復讐に絶えず脅えるメンタリティが働いているのです。 編:分離壁の影響は?
分離壁は事実上西岸地区の三五%以上をイスラエル領にしています。エルサレム周囲の壁は西岸地区を二分割し、入植地を囲む壁はパレスチナの町や村をバラバラに切断しました。残された離れ小島のような断片や飛び地に、まともに機能できる国を作れるわけがありません。
本当の平和というのは、暴力の原因を取り除くことです。それは、二民族二国家解決案では成し遂げることはできません。
我々の考えは、@イスラエル占領地撤退の後イスラエル国と並存する形でパレスチナ国を樹立することは、とりあえず今の暴力の波を鎮めることになり、その後の多くの問題解決への出発点となるでしょう。国際的な解決へ向けてよい環境作りになる。A故郷への帰還権を実現することは、紛争の重要な原因を除去することになり、アラブ人とイスラエル人の間に歴史的な和解への道を開くことになるでしょう。
編:イラク戦争についての見解は?
編:日本の民衆へのメッセージを。