更新日:2005/01/29(土)
[海外] パレスチナ/何のための西岸工場地区構想?
西岸地区内に工業地域を作るという構想が進められている。パレスチナ経済開発のためではない。オーナーには形式的にはパレスチナ人が座る場合もあろうが、実質的にはイスラエル資本である。工業地域には安いパレスチナ人労働者が雇用され、稼いだ金でイスラエル商品を買わせるのである。パレスチナ人を安い労働力と消費者としてイスラエル資本に組み込むのである。この構想が現実化すれば、まさに南アフリカのバンツースタンが、パレスチナで再現されることになる。
この構想はイスラエルの安全保障上もメリットがある。工業団地を西岸地区に建設するため、パレスチナとイスラエルの境界を超えてパレスチナ人へ移動許可を与えるリスクがなく、雇用の際もたとえば「抵抗運動には参加しない」ことを誓約させたり、パレスチナの抵抗運動や攻撃を理由に工場を閉鎖すれば、パレスチナ人内部から抵抗運動への批判を引き起こすことも可能だ。
今イスラエル資本は、この構想への出資を日本を含む世界中の企業に呼びかけているとの情報もある。
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