更新日:2004/11/21(日)
[コラム] マクドナルドに「正しい路線変更」迫る方法
二〇〇二年、二九年ぶりの赤字を受けて、ファストフード最大手のマクドナルドが安値販売路線を変更した事は、記憶に新しい。現在ではメニューに『自称』高級素材をふんだんに使った豪華版ハンバーガーの「マックグラン」を加え、一個三五二円で主力商品として売り出している(ちなみに通常のハンバーガーは八四円)。また、服飾業界で価格破壊をおこしたユニクロも、高品質化という名の「高価格路線」に変更すると発表した。大阪一号店を皮切りに、一万円超の商品を扱う新型店舗を増やすそうだ。
どちらも、薄利多売型の企業が業績悪化した際によく陥るパターンといえる。要は利益率を重視し、金持ち相手に商売をすれば儲かると期待しているのだ。しかし、自らの本質を見失って、消費者の支持を得られるわけがない。この手の販売戦略は、清純派アイドルが脱いで本格女優宣言するようなもので、たいてい失敗する。彼らも、いずれ元の路線に戻る羽目になるだろう。
本来ユニクロもマックも、「高級感やイメージ以外の実質部分で上級の商品サービスを凌駕する」という、庶民派、安物ブランドならではの美学を追求すべきなのだ。なれるわけがないのに一流ブランド、高級ブランドになりたがる姿はカッコ悪いし、目指す方向を間違えている。とくに私たちの健康に直結する外食産業についてはもう少し深く考えてみたい。
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