[政治] 哀悼 香田証生さん/日本人を危険にさらす自衛隊
小泉首相は香田さん殺害の共犯者
香田証生さんが、イラク武装勢力によって殺害された。香田さんが殺された理由は、唯一彼が日本人であったということだけだ。日本の軍隊を米国の求めに応じてイラクに駐留させ、占領者=米軍をサポートさせている小泉首相の責任がまず問われる。さらに小泉首相が、最初に「自衛隊は撤退しない、テロには屈しない」と発言したことは致命的で、この発言が武装勢力との交渉の道を閉ざし、証生さんの命を奪ったのである。
イラクへの自衛隊派遣の目的は、「人道復興支援」などではない。それはイラクを軍事占領する米軍の支援であり、日本のイラクでの経済的権益を確保・拡大するためである。これは、アメリカ政府もイラク民衆も認識しており、国際社会全体の共通認識であると言って差し支えない。「人道復興支援」というのは本当の目的を隠す隠れ蓑に過ぎないのである。
そして「人道復興支援」が隠れ蓑に過ぎないからこそ、政府のいう「人道復興支援」という派遣目的から見た自衛隊の活動は、あまりに非合理で非効率にならざるをえない。自衛隊派兵費用四〇四億円がいかに非効率で、無駄な支出なのか?を非軍事の開発支援である日本のODA(政府開発援助)との比較で検証してみる。資料はすべて、外務省による「二〇〇三年度ODA白書」からである。
四〇〇〇〇円/リットルの水
日本政府はこの一連の自衛隊派兵に、二〇〇三年度=二四二億円、二〇〇四年度=一六二億円、合計四〇四億円を支出している。中心業務は、給水活動ということになっている。自衛隊員五〇〇名あまりを投入し、一日あたりわずか八〇トンの水を供給しているにすぎない。
こうした給水活動は、費用対効果で比較するとフランスのNGOの四〇〇〇分の一である。フランスNGOが供給する水に一リットル一〇円のコストがかかるとすると自衛隊のそれは、四〇〇〇〇円/リットルとなる。