[情報] 9.11が世界を変えた このドキュメンタリーが9.11を変える
──グローバルピースキャンペーン きくちゆみ
全ての始まり
二〇〇一年の九・一一事件から三年が経ち、この事件を再検証する動きが盛んになってきている。イラク情勢は泥沼化し、毎日多くの犠牲者を出し、パレスチナではイスラエル軍の攻撃は激化する一方で、ロシア政府もチェチェンへの弾圧を強めている。 九・一一事件からはじまった「テロとの戦い」は、国際法を過去のものとした。今や世界の権力者たちは、「テロ対策」「テロ撲滅のため」といえば、何でもできるようだ。気に食わない相手を「テロリスト」と決めつければ、軍事力を行使できるのだ。 日本が有事法制を制定したのも、反戦落書きをした人や、自衛隊派兵反対のビラを配った人を逮捕し、有罪にし始めたのも、九・一一事件がきっかけだ。自衛隊がイラクにいるのも、「テロとの戦い」のためだ。 九・一一事件の真犯人は、いまだに不明だ。オサマ・ビンラディンがやったことになっているが、確たる証拠はない。それなのに全世界が「対テロ戦争」を戦い、多くの一般市民の屍が重ねられる。 戦争でテロを防ぐ、あるいはなくすという考えは、私には全く逆効果であるようにしか見えない。戦争に費やしているお金を、貧困対策や教育や福祉に回したほうが、よっぽど効果的ではないか。毎日のニュースを見聞きするたびに、深いため息をつくばかりだ。
九・一一の全貌をひっくり返す
しかし、いくらため息をついても、世の中は一向によくならない。九・一一の真相が分からないなら、分かっている証拠を集めて、検証してみよう。そんなドキュメンタリー映画が、この夏アメリカで発表され、話題になっている。
原題のタイトルは「九・一一インプレーンサイト(911 In Plane Site)」。ミズーリ州で「パワー・アワー」(The Power Hour) というラジオ番組のホストを務めるデイヴ・ヴォンクライストらが制作した、わずか一時間たらずの作品だ。直訳すれば、「九・一一 航空機現場で」というほどの意味だが、日本語版のタイトルを『九・一一 ボーイングを捜せ―航空機は証言する』とし、現在制作を進めている。
「九・一一が世界を変えた このドキュメンタリーが九・一一を変えるだろう」と謳っているだけあって、確かに私たちが信じてきた九・一一事件の全貌をひっくり返す内容だ。このドキュメンタリーを見た後も、あの事件を「九・一一同時多発テロ」と呼び続ける人は、何人いるだろうか。
二〇〇一年九月一一日には四機の旅客機がハイジャックされ、最初の二機が世界貿易センタービルに突っ込み、超高層ビルを全壊させた。もう一機は、ペンタゴンに激突して強固なビルの一角を破壊し、最後の一機は犯人と乗客が戦って操縦不能になり、ペンシルバニア郊外に墜落した。四機目の飛行機は、ホワイトハウスへ向かっていたと推測されていたため、「勇敢なアメリカ人がテロリストと戦い、自らの命を犠牲にしてアメリカを守った」と称えられ、多くのアメリカ人を感涙させた。この美談は、九・一一以降、アフガニスタン攻撃へ向けてアメリカ国民を一致団結させるのに、大いに役立った。
ところが、空軍のパイロットがこの四機目をミサイルで撃ち落としたことが、つい先日明らかにされ、そのパイロットの実名と写真も公表された。よって、この作品では疑問が残る最初の三機について追求している。
一番大きな疑問は、ペンタゴンに激突したとされるアメリカン航空七七便(ボーイング七五七型機)の行方だ。機体の残骸が事故発生直後の映像にも写っていない。また、機体が激突した結果空いた穴が小さすぎ、報告書にある激突によってできた大きなクレーターがないなど、政府発表の情報と現場の状況が一致しないのだ。
次に検証されているのが、世界貿易センターでの謎の爆発について。「ビルには、あらかじめ爆薬がしかけられていて、タワーの崩壊は解体工事と同じような方法で行われたのではないか」、というのだ。現場の消防士や警察官が、崩壊の直前に爆発があった、と証言している。
もうひとつ、日本ではほとんど論じられない、世界貿易センター七番ビルの不可解な崩壊についても、取り上げている。