更新日:2004/11/10(水)
[海外] ロシア/強権統合進めるプーチン政権
──チェチェン独立運動と小学校占拠事件 大阪経済法科大学・藤本和貴夫さんインタビュー
ロシア軍による強行突入か?
藤本:ロシア北オセチア共和国のベスランで起こった小学校占拠事件直後にロシアを訪問しました。政党関係者・マスコミから一般市民までチェチェン問題への関心は大変に高く、今回の小学校占拠事件を深刻に受け止めています。まだ大きな声にはなっていませんが、やはり力による制圧は無理で、政治解決しかないだろうという意見が多いように感じました。ただし、プーチン政権は、チェチェン共和国の元大統領であるマスハードフ氏を交渉相手とは認めておらず、ロシア連邦軍による事態の収拾との方向性を変えていません。
編:多数の犠牲者を出しましたが、ロシア特殊部隊の強行突入によるものなのでしょうか?
藤本:どうやらそうとばかりはいえないようです。真相はよくわかりませんが、子供を人質に取られた親や地域の人々が、猟銃などで武装して、人質救出のために小学校内に入り、これをゲリラ側が治安部隊の強行突入と勘違いし、応戦・自爆し、惨事となったようです。モスクワ劇場占拠事件の結末もあり、住民は治安部隊を信用していなかったからだともいわれています。治安部隊は、現場を完全包囲していたとしていますが、実際は、CNNやBBCが突撃取材を行っており、包囲網にはかなり穴があったと想像できます。ロシアの治安部隊は、きちんとしているように見えますが、実は地方の警察の実態としてはこんなもので、今回もわりと誰でも現場に近づいたり、入り込むことが可能だったのでしょう。
プーチン大統領にとってのチェチェン問題の重要性
それでもプーチンが支持される理由
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