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更新日:2004/10/29(金)

[情報] 無償原則・「国のサービス無い」障害者・高齢者の生活支援
──コリアボランティア協会(大阪・生野区)

直面する困難

「民族・国境・ハンディを越えて」共に活き活きと暮らせる社会を目指してあらゆるボランティアを行うことをモットーに、コリア・ボランティア協会は、一九九四年一月、大阪・生野区内に、ある在日企業家からワンフロア(一〇〇u)の無償提供を受け設立しました。

地域の多様な福祉団体・民族団体・市民活動団体とも連帯して、ボランティアの実践とともに社会的に弱くされている方々や子供達の避難場所ともなりました。

私たちのボランティア活動は無償を原則とし、「国のサービスを受けられない」障害者・高齢者の日常生活支援を柱としています。

個々の問題を一つずつ丁寧に、そのニーズに即した対応を心がけています。特に自立生活者の在宅支援(食事・排泄・買い物・通院・外出)、入院中、病院では対応しきれない(身の辺りの支援、精神的に疲れた方との電話相談、野外レクリエーション、啓発(セミナー・フィールドワーク)などです。

運営は、寄付と代表・康秀峰(カンスボン)の書道教室の収入でまかなっていました。一九九五年からは阪神大震災復興支援も加わり、急激な支出増となり、財政的には非常に困難を来たしています。

その後二〇〇〇年九月には、不況によるオーナー交代で当初のビルから立ち退きを余儀なくされ、七坪の小さな事務所に移転。誰もが憩える場としてはあまりに狭いスペースとなってしまいました。

また、唯一の収入源であった書道教室は震災時、被災した障害児・者の避難所として開放したため、事実上一九九五年には閉鎖。代表の持病も、立ち退きからの過労により悪化、教室での収入の道は閉ざされました。

現在、月一三万円の家賃を支払うのがやっとの状況です。有給スタッフは現在五人。発足当初、約三〇〇件だった会員数は現在、全国や海外に約八五〇〇件(個人・団体含む)と膨らみ、今年一月で発足一〇周年を迎えました。一般からの寄付(収入全体の約八〇%、助成金二〇%)のみでここまでこれたのは、全国でもまれな例といわれています。

立ち退き以来、誰もが集える「憩いのマダン(広場)」の実現のために、ニーズにかなうセンター建設をすすめています。スペース不足は現実に人命にも関わる重要な課題です。一刻も早いセンター実現のため、資金や場所の提供者を探しています。

NPO法への疑問

NPO法人取得の話も持ち上がりましたが、現行のNPO法では、「自由なボランティアのサポートとなり得るか?」と言う命題をクリアしていないため、取得の決断はしていません。阪神大震災が起こった時に大衆が願ったものは、機動力のある、状況に応じたボランティア活動を「国が支える」ということではなかったでしょうか。

その為には、欧米型の税制優遇措置が盛り込まれたNPO法が必要ですが、現行ではむしろ逆に、社会的貢献度を示すはずの、民間ボランティアに対する企業カンパに、控除ではなく水準以上の税金が課せられており、そうした控除項目はあるものの、率も対象範囲も不十分なもので、市民と有志議員の目指した法案には程遠いものがあります。

法改正を進めるとともに、法人化を考えるに当たり私たちも、「大阪NPOコンサルタント派遣事業」の活用や、ボランティアの心を謳った代表の書の販売を通して収益事業にも取り組んでいます。

また市民の手による多様なボランティア活動を推進し、限りなく制約のない「自由なボランティア活動」をすすめるため、今後も社会的に弱くされてしまった方々と共に、あらゆるニーズに、ボランティアで応えられるよう励んでいきます。自由なボランティア活動を妨げない法人格が実現すれば、私達はいつでもそれを取得することで、更なる社会的使命の達成に邁進したいと考えています。

ホームページ 住所:大阪市生野区勝山北三―八―三一 電話〇六―六七一七―七三〇一 カンパ送付先:〇〇九二〇―六―二九四〇八 「コリアボランティア協会」まで

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