人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people@jimmin.com
反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事

辺野古の位置


ボーリング調査に抗議するカヌー隊(中央)


辺野古漁港の座り込みテント
更新日:2004/10/29(金)

[社会] 「普天間基地は要らない」「辺野古移転反対」は沖縄の声

編集部より

8月13日、沖縄国際大学の本館に米軍ヘリが墜落・炎上した事件は、まだ記憶に新しい。この事件は、日米安保によって、沖縄がいかに日常的に危険にさらされ、犠牲を強いられているのかを改めて明らかにするものとなった。

その沖国大に隣接し、宜野湾市の中央に、25%の面積を占拠している普天間基地。その普天間基地返還のために、国・沖縄県・名護市が移転先として合意したのが、名護市辺野古沖だ。

「普天間基地の機能を代替するヘリポートを建設する」とされた辺野古現地は、いま、どうなっているのか。台風21号が沖縄をようやく過ぎ去った9月30日、辺野古現地を訪れ抗議船に同乗した。(小比類巻)

辺野古沖ボーリング調査阻止行動にカヌー隊が大活躍!

「危険ですから近づかないで下さい!」─船上でハンドスピーカーを持った那覇防衛施設局の職員が叫ぶ。

九月九日、防衛施設局は、海上ヘリポート基地埋め立てのためのボーリング調査を開始した。一〇月一日、台風による調査の遅れを取り戻すべく、また反対派の阻止行動を避けるため、通常より二時間も早い、朝七時過ぎに小型漁船で慌ただしく出港していた。

「この豊かな海を埋め立てるためのボーリング調査は止めてください!」「沖縄に基地はいらない!」「防衛施設局は帰れ!」─カヌー隊や抗議船から、調査船・作業船の防衛施設局の職員に向かって怒りを込めた抗議の声が上がる。

ボーリング調査を身体を張って阻止するために、地元の「命を守る会」や「ヘリ基地反対協議会」などのメンバー・支援者が、漁船とカヌーを繰り出して、海上で阻止行動を行っている。

小型とはいえ、一ヵ所に何艘もの船舶がひしめく中で、カヌーに乗っての阻止行動は、危険を伴う。それでも波の中、「この海に基地はつくらせない!」という想いを胸に、カヌー隊は、必死に櫂を漕ぎ続ける。

防衛施設局側は、阻止行動のため調査ができず気が焦るばかりだ。昼前、波が高くなってきたこともあり、調査船は一旦調査をあきらめ、錨を引き上げ始めた。

「アンカーを引きずるな!藻場が傷つくじゃないか!」抗議船から声が飛ぶ。

この付近の海域は、サンゴ礁脈もあり、ジュゴンも生育する豊かな場所だ。防衛施設局は、「サンゴ・藻場などの自然環境を保護し、影響を最小限にするよう務めます」と約束しているにも関わらず、調査現場では配慮のかけらも見られない。その間も、施設局の職員が、抗議船やカヌー隊の姿を黙々とビデオカメラに納めていた。

調査船団は、辺野古沖合の長島まで一時「撤退」。すぐには波も収まりそうもない。「今日の調査はもう諦めたか?」。

海上で波に揺られ、差し入れの昼食。抗議船とカヌー隊は、つかの間の休息。見渡せば絵に描いたようなエメラルドグリーンの海、青い空。陸には、辺野古岳・久志岳をはじめとした緑が広がっている。しかし、目の前にはアメリカ海兵隊の訓練施設、キャンプ・シュワブと辺野古弾薬庫が存在している。この弾薬庫には核もあるらしい、と地元の人々は噂している。

やや波も収まって来た午後三時頃、作業船団が動き出した。どうやら別の調査ポイントに向かう様子。抗議船はともかく、カヌーではとても追いつけない。抗議船にロープで引っ張ってもらい、調査船を追いかける。

聞くところによれば、施設局の側は「おとり船」を使ってカヌー隊を引きつけた隙に、別のポイントで調査を行ったり、調査ポイントをあちこち移動してカヌー隊を引き回したりと、あらゆる手を使って消耗させようとしているそうだ。

沖縄県民の八一%が「辺野古移設」に反対!

辺野古漁港横では、「命を守る会」の座りこみが続けられている。「機動隊が排除に来るかもしれない」という緊張感の中、海上で抗議行動を行う人たちと気持ちを一つして、地元・県内外から座りこみにやってくる人たちの姿は、絶えることがない。

こういった阻止行動は、明らかに防衛施設局を追いつめている。施設局は抗議船・カヌー隊の阻止行動を避け、作業を急ぐあまり、安全確保をおこなわないままダイバーを潜水させるなど、なりふり構わぬ暴挙に出ている。

「沖縄タイムス」が九月上旬に実施した世論調査では、沖縄県民の八一%が、米軍普天間飛行場の辺野古沖移設に「反対」している。しかし国・沖縄県は、「基地移設反対」の圧倒的な声を無視し、あくまでヘリポート基地建設を進めようとしている。

「人殺しのための基地はいらない」「かけがえのない平和と自然を守ろう」という辺野古の闘いは、今後もヘリポート基地建設計画が撤回されるまで続く。

闘いが長引くに連れ、座りこみを続ける辺野古のおじぃ・おばぁたちをはじめ、ほぼ日中は海の上に出ずっぱりになる抗議船・カヌー隊にも疲れが見え始めているのは否めない。可能ならば、ぜひ辺野古現地に出かけて、座りこみに参加して欲しいとの事だ。

また辺野古現地では、抗議船をチャーターしたり、新たなカヌーを購入するための募金を募っている。

【カンパ先】郵便振替・01700―7―66142(加入者名「ヘリ基地反対協議会」)まで。※通信欄に「海上阻止カンパ」と記載のこと。激励メッセージもお寄せ下さい/沖縄県名護市大西五─五─六/電話・〇九八〇―五三―六九九二

続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
[HOME]>[社会]


人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people@jimmin.com
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.