更新日:2004/10/10(日)
[海外] アフガンから見える世界の「水事情」
旱魃に苦しむアフガン
二〇〇一年三月、バーミアンの大仏がタリバンによって破壊された。国際社会はこれを《蛮行》と見なし、非難を浴びせた。しかし、現地で医療や井戸掘りの支援を行っているペシャワール会の中村哲氏によれば、この破壊は、実は「雨乞い」だったという。
WHOの発表によると一二〇〇万人が被災、四〇〇万人が飢餓線上、一〇〇万人が餓死するだろうという大旱魃だった。一九九九年以来、アフガンは六年続く旱魃に苦しんでいる。この旱魃は、アフガンだけではなく中央アジア一帯、北朝鮮までも広がった。
旱魃の原因は異常気象である。ヒンズークッシュ山脈に降る雪が、「一〇〇年に一度」といわれるほど異常に少なく、そのために川の水位は下がり、国中の井戸が涸れた。僕が今年の六月に訪れた時には、カブール市内の中央を流れる河は干上がってひび割れ、カブール郊外の貯水湖は貯水量の一〇〇分の一を下回り、ほとんど水溜りのようになっていた。
日本でも梅雨に雨がほとんど降らず、真夏日が四〇日続き、つい先日も記録的な暴風雨を台風一八号がもたらした。地球温暖化のもたらす破滅が、じわりじわりと忍び寄ってきている。
CO2処理ビジネス
進行する「水の商品化」
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