更新日:2004/09/30(木)
[政治] 日本人には「タリバンがいるから行くな」と言い、アフガン人には「タリバンはいないから安全だ」と言う法務省
アフガン〜ハザラの難民
「タリバンはまだいる。それは確実なことだ」──現在、アフガンの副大統領であるハリリ氏は、RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)の質問にこう答えた。今年の六〜七月にかけて行われた、RAFIQによるアフガン現状調査での一コマだ。
現在、日本で難民申請をしているアフガン人は、ほぼ全ての人が「ハザラ族」である。彼らは、唯一の「モンゴロイド」であり、「ハザラギ」という言語を使い、アフガン国内で唯一「シーア派」を信仰する。
つまり、アフガンの四大民族の一つでありながら、民族・宗教・言語などの違いから、アフガンではハザラ族であることが容易にわかる。
そして、九八年にはハザラ族の土地であるバーミヤンやマザリシャリフにおいて、タリバンによる大量虐殺が行われた。
タリバンは、ハザラ族と最も敵対するパシュトゥン人の政権であり、この時タリバンに虐殺されたハザラ族は八千人とも一万数千人とも言われているが、正しい数字は把握されていない。なぜなら、多くの人がコンテナで移送中に殺害されて砂に埋められたり、井戸に投げ捨てられたりしたため、ちゃんとした統計が取られなかったからだ。
そして、その九八年を境に、世界各国でハザラ族が難民申請をした。日本でも五十数名が難民申請をし、現在も難民申請が不認定となり、日本の法務省に提訴をしている者が四〇名ほどいる。法務省側の言い分は大きく分けて二つに分類される。
「日本に対して難民申請をしているアフガン人の多くは、@規定の六〇日を超過した後に難民申請をしているため、保護の対象にならない。Aタリバン政権は崩壊しており、ハザラ人への迫害が存在していない。B申請者『個人』が殺害される、という証拠が乏しい」。
二ヶ月で、祖国を捨てろというのか
声にならない叫び
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