更新日:2004/09/15(水)
[海外] アフガニスタン現地レポ/宗教や民族の違いに翻弄され、傷つき迫害されるハザラ族の人々
軍閥が闊歩するカブール 米軍の駐留が緊張高める
僕は今、アフガンに来ている。日本で「難民認定裁判」を闘っている庇護希望者たちの証拠を集めるためだ。
アフガンの六月は暑くて死にそうだ。日差しがきつく、顔の皮が全部剥けてしまった。カブールの街は、前回来た時よりも活気にあふれている。青いブルカをまとった女性が顔を出して買い物をしているところなどは絶対に見ることができなかった。というのも、ISAF(国際治安支援部隊)が装甲車に乗って毎日走り回っており、不安定でいびつな形でだが、なんとか治安が保たれているからだ。
しかし、依然として軍閥の力は強く、ISAFはカブールでしか影響力を持っていない。かつてカブールで虐殺を繰り返した軍閥指導者たちは、揃って政府の要職についている。やはりカルザイはただの飾りだ。国連・NGO関係者をはじめ、政府関係者などにインタビューをしたが、彼らは口をそろえて「ISAFがいなくなると、カブールで内戦が起きる」と言う。つまり、ISAFひいては米軍は、半永久的にアフガンに駐留する可能性があるということだ。
アフガンも沖縄のようになってしまうのだろうか?買い物をしにバザールを歩いていても、あちこちでISAFを見かける。彼らは買い物をする時でさえ、銃を手放すことができない。
僕と同世代の若い男が、警戒してこちらに銃を向ける。僕は少し可哀想に思った。彼らはアフガン人とチャイを楽しめないのだ。街の人々は「怖くて彼らに近づけない」という。自爆攻撃に巻き込まれてしまうかもしれないからだ。僕のドライバーも、装甲車に遭遇した時は、距離をとっていた。
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