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ラファ
イスラエル軍の無差別砲撃で家族を殺され、悲しむ家族たち(七月六日、ラファ)
更新日:2004/08/04(水)

[海外] パレスチナ/家屋破壊と一般住民殺害をやめないイスラエル
──五月一七日 アミーラ・ハス

編集部より

人権団体「ブツェレム」のレポート(5・16)によると、ガザ回廊南部のラファでイスラエル軍がまたもや軍事行動、116家屋を破壊、198世帯が住居を失い、1160人がホームレスとなった。「ガザ撤退」を口にしながら、イスラエルは国際法違反の暴挙をいぜんとして続けているのだ。以下に翻訳紹介するのは、アミーラ・ハスのレポートである。

ラファ住民の脱出

昨日のラファの道路は、荷馬車や古びたピックアップ・トラックでごった返していた。みんな家財道具をいっぱい積み込んでいた――寝具・屋根から外した水タンク・衣服・毛布・壁から外したドアや窓枠・解体したベッド・クローゼット・教科書・錫やアスベストのシーツ・乳母車・冷蔵庫・ガスボンベ、等々。  エジプト国境とIDF(イスラエル国防軍)の機関銃から三〇〇b以内のところに住んでいた人々、IDFのブルドーザーが近所の家を踏み潰すのを目撃した人々、まだ家の中から家財道具を持ち出せる余裕のあった人々、水曜日にIDFの軍用車への爆破があった近所の人々はみんな、大急ぎで荷造りし、馬車や古トラックに荷積みして、ブルドーザーからできるだけ遠く離れた北へと脱出していた。途方にくれた女たちが、壊れた自宅跡の瓦礫に腰を下ろして、騒然とした脱出劇を眺めていた。

取り消された「家屋破壊停止」の仮処分

先週末、「家屋破壊差し止め」の訴えを高等裁判所に提出していた家族も、やはり昨日の脱出に加わっていた。裁判所はいったん「家屋破壊停止」の仮処分を決定したのだった。訴状を出した人の一人、大柄なパレスチナ人は、人前も憚らず大声で泣いて喜んでいた。  ところが、昨日の朝、裁判所は仮処分を取り消し、訴えを棄却する決定をした。訴状人たちは、家財道具を持ち出せるだけ持ち出して、荷造りをした。  マサド・キシュタ、アハラム・キシュタ夫妻と、ファウジ・アッシャールも訴状を出していた。彼らの住居はIDF軍屯所の前を走るアブ・シャマル通りにあった。両家の人々は、昨日の午後六時に家を空っぽにした。キシュタ家もアッシャール家もこの地域にに住む一族で、難民ではなかった。家の敷地は自分たちの私有地で、そこで四〇年も前から野菜やスイカを栽培していた。キシュタ家の家父は、一九五六年に今の地へ移ってきて、家族を増やし、一九八〇年代には増えた家族のために、コンクリートの家を建てた。  キシュタ家の人々はもう、IDFのブルドーザーが、戦車や装甲車やヘリコプターに援護されながら、付近の家屋を壊す回数を数えるのをやめていた─多分五回か六回になるのではないか。

「ラファでまた家屋破壊!?」

ある時、ブルドーザーが彼らの家の寝室を破壊した。それ以来、家の中から軍が国境沿いに建てている鋼鉄製の塀や、軍屯所や、近所の破壊された家の残骸や、砂丘と砂丘の間に広がる瓦礫の山が丸見えとなった。先週の木曜日には、IDFの砲撃弾が、息子アベドの家の壁に大きな穴をあけた。  木曜日と金曜日に装甲車と戦車とヘリコプターがやってきて、キシュタ一族の家が、次々と壊された。女性が集まっているところへミサイル弾が撃ちこまれて、七人が死亡した。  IDFは、「武装パレスチナ人だけを目標にしている」と主張しているが、それが真っ赤な嘘であることは、ラファの住民たちも、監視のためにラファに来ている人権団体の人々も知っている。事実、殺害された人はみんな一般住民であった。  「二年前にも、私が初めて建てた家が壊されて、私は瓦礫の下敷きになった」と、アッシャール家の娘たちの一人が言った。「だから、今回、軍が近づいてくるというニュースを聞いたとき、すぐに家を空けて逃げたのです」。もう一人の娘は、「軍は『無人の家だけを壊している』と言っています。そりゃそうでしょう。最初に銃弾を浴びせて住人を追い出してから、家屋破壊にかかるのですから」と語った。  昨夜、うわさがラファ中に広まった。「IDFが、ガザ市とラファの間の道路を三日間封鎖する」といううわさだ。これは、さらに家屋破壊が行われる──外の世界から見えないようにして──前兆だ、とほとんどの人々が思っている。

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