[政治] 小泉勝ったら、重税・軍事国家
「集団的自衛権」へ踏み込み、武器輸出解禁も「検討」
小泉内閣は六日、二〇〇四年版「防衛白書」を閣議了解した。「白書」は、自衛隊が「(海外の)必要とされる地域に部隊などを迅速に派遣し、継続的に活動を行いうる」体制作りを明記。海外派兵を「自衛隊の本来の任務の一つと位置づける」方向性を打ち出した。その上で、今後の自衛隊について、海外派兵のための専門部隊や輸送・補給力など「即応性・機動性・柔軟性」をキーワードとして、「法制・装備・組織・運用、あらゆる面から抜本的な改革」をなしていくとしている。
さらに「集団的自衛権の行使」を認めるべきだとの意見を紹介して、憲法改正を促し、「ミサイル防衛」システムの米国との共同開発のため、武器の海外輸出を禁じた「武器輸出三原則」の見直しについても「検討していく」としている。
小泉・自民党の「この国を創る」という方向性は明確だ。グローバル企業の展開を保障する軍隊として自衛隊を造り直し、米国と共にあらゆる地域に派兵し、抵抗する内外の民衆に銃を突きつける国家を造り上げることなのである。
イラクに米軍傀儡政権が作られたが、反米抵抗闘争は勢いを増している。イラク情勢の泥沼化、中東地域の後戻りのきかない混乱に象徴されるごとく、米・ブッシュ流世界秩序は完全破綻し、世界の流れは明らかに変わりつつある。
国境を低くし、多国間協調による新たな地域秩序を創りつつあるEUの実験。さらには地域内循環による自給・自立をめざし実験を続ける無数の地域運動が横に繋がり経験を交流し、「もう一つの世界」を提示しようとしてもいる。
今後五年間の日本の進路を決定づける参議院選挙。与党勝利ならば当面衆院解散はなくなる。先に描いた小泉流の日本改造が加速されるのは必至だ。その意味で今回の参院選は、否が応でも「有権者はどのような世界と日本を選び取るのか?」が問われている選挙と言える。
小泉人気急落のなか自民党は、社会保険庁長官への民間人起用、拉致家族の再会演出など人気取り策を乱発し、お蔵の中なら「オウムの恐怖」を持ち出し、さらには「自民劣勢」というアナウンス効果まで使って必死の巻き返しを謀っている。
確かに「投票したい候補」は少ないが、棄権は禁物だ。みどりの会議・社民・共産・無所属の反派兵候補への投票を呼びかけよう!自公の歴史的敗北を!自公を落とせ!(WEB版管理者注:この記事は本誌7月5日号に掲載されました)