「雅子さんがかわいそう」意見特集2
天皇制は階級支配の道具 ●愛媛・石村勝美
現在の「天皇制」の最大の「政治的役割」は「国民統合の象徴」として、現在の社会が「資本と労働の階級対立の社会」であることを、あいまいにし、覆い隠し、結局は独占資本とそ国家の階級支配に奉仕していることである。
〇一年、雅子出産のとき、テレビのどのチャンネルを回しても、「雅子妃ご出産」のニュース。どのアナウンサーもいかにもうれしそうな顔をして、毎日新聞など「心からお祝い申し上げます」の社説。祝わないのは『非国民だ』といわんばかりの雰囲気だった。
現天皇アキヒト「在位一〇周年」の時、アキヒトは阪神大震災被災者や障害者福祉にいかに心を寄せているかをとくとくと語り、「みなが互いに助け合うことにより、この状況がよい方向に向かうことを念じています」としゃべっていた。
労働者がリストラ・長時間過密労働・過労死・家庭崩壊にまで追い込まれている時代に、「国民がお互いに助け合え」と資本の横暴を覆い隠し、免罪している。これが天皇制の政治的役割である。
国民体育大会とか植樹祭とか、天皇を出席させ、優しげな言葉をかけさせ、結局、日の丸・君が代強制、愛国主義、改憲、戦争できる国づくりへの天皇制を利用している。
明らかに天皇制は独占資本とその国家の階級支配の道具である。編集部のいうように「侵略を支えた日本の家父長的家族制度の集約としての天皇制」と何か過去の遺物的なものでなく、現在の独占資本とその国家の階級支配の道具である。「すべてのこれまでの社会の歴史は階級闘争の歴史である」(『共産党宣言』)階級的立場からの位置づけが弱いのでなかろうか。
日本共産党の新綱領も、政治的利用などの逸脱がなければ、「天皇制」を認めるとしているが、天皇制は存在しているだけでも、政治的役割を果しているのである。
わたしは二〇才のとき、敗戦を迎えたが、それまで散々天皇制教育をたたき込まれてきた。しかし「天皇制憎し」だけでなく、「天皇制との闘い」は独占資本との階級闘争を基礎にして闘わねばならない。「万国の労働者団結せよ」(『共産党宣言』)。これが根本である。
皇室は戦争に反対する姿勢を確立すべき ●兵庫・世界連邦の建設請負人
先日、天皇・皇后にアフガンで医療活動に奮闘している中村医師が、皇居に招かれ、アフガンの現状を詳しく聞かれたというニュースがあったが、その席で中村氏は、「事態は以前にも増して最悪である」と伝えたそうである。
今、日本の政府が再軍備を強化し、世界の市場再分割戦に参入しようとする状況にあって、皇室は戦前の天皇のように軍部に利用され、国民を悲劇に導くのではなく、世界平和の象徴として日本国民を代表して、あらゆる戦争に反対する姿勢を確立すべきであります。
そのために、国民は現在の危険で無知無謀な政府官僚の頭をすげ替え、皇室体制に真の民主主義を実現する必要がある、と確信します。皇室を戦争へ導く国家主義に利用されぬよう国民が監視し、会話を媒る必要があります。
このような方向性こそが、戦前の天皇の戦争責任を問う、最も正しい考え方ではないでしょうか。
日本国民よ!しっかりしろ
皇室を戦争好きな連中に私物化されぬよう
昭和天皇には恨みはあるけれど ●兵庫・林弘士
六月五日号の天皇制関連記事について編集部の見解Bに賛成です。
小生も、第二次神戸大空襲で人生を変えられた一人であり、昭和天皇には恨みつらみが有りました。
「敗戦後すぐだったら、天皇制も廃止できたのでは?」と思いますが、冷戦の影響の方が強かったようです。
ただ、憲法第一条に明文化されてしまった現在、なかなか容易ではないと思います。むしろ、逆の改憲の方が強い!
小生より二才年下の平成天皇、さらにその息子夫婦にまで昭和天皇と同じ恨みつらみを持つのは、正直いって、少し無理なような気がします。
イギリスのダイアナ妃のような自由な(?)行動を保証してやる事が先ず必要ではないでしょうか?その上でオープンな批判をすれば良いと思います。
その後にも言論・出版の自由な厳守しなければなりません。