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更新日:2004/06/26(土)

[コラム] 自衛隊の「対テロ」特殊部隊=<特殊作戦群>が発足
──津田光太郎

ほとんどもはや、誰も、まともに取り上げようともしない。新聞もほんとに小さなベタ記事だった。防衛庁が、この三月二九日に、千葉県船橋市の陸上自衛隊習志野駐屯地に、約三〇〇人からなる防衛庁長官直轄の「特殊作戦群」なる部隊を発足させたというのだ。

自衛隊の特殊部隊は、不審船の武装解除を行うための専門部隊として二〇〇一年三月、海上自衛隊に新設された「特別警備隊」が最初で、これが第二例目になるのだという。そして今回の特殊作戦群は、「日本に特殊部隊やゲリラが上陸し潜伏、さらに原発などを攻撃しようとしている場合に、『警察力では治安を維持できない』と判断されると出動する。武力を行使して鎮圧し、敵も拘束する。輸送ヘリコプターやC一三〇輸送機などを持つ部隊と連携し、国内どこへでも素早く展開できるよう支援態勢も整える」。さらに「同駐屯地にある自衛隊唯一の落下傘部隊である第一空挺団も増強。特殊作戦群と協力し、国内でのテロ対処や海外での邦人救出などを行う」(共同通信)という。

くだんの人質=自己責任論と同じで、「テロ」は自然災害と同列に論じられることはあっても、決して「犯罪」ではなくなってしまった。「テロ」は「犯罪」ではなく、戦争あるいは軍事作戦の一形態なのだから、いったん「テロリスト」とレッテルを貼られたら、抗弁の余地はなく、「裁判」なしで銃殺されても文句は言えない。「裁判」なしにだれがその人を「テロリスト」だと認定するのかといえば、少なくとも「私」じゃないし、きっと「あなた」でもないと思う。

そんなんで、ほんとにいいのか!この国は、国であることを、悪い方向に向かって抛棄してしまった。

アメリカ合衆国が「特殊部隊」を持つのは、アメリカの世界戦略を遂行するためであって、その目的は自国の利益を防衛するためだ。米国は基本的のその事実を隠したことはなく、むしろあからさまに公言さえしてきた。つまり、この戦略から定義される「テロリスト」とは、「アメリカ世界」にとっての「外国人」のことであって、あきれるほどクリアに定義される。アメリカ人以外の我々には、絶対にできないことのはずだ。その絶対にできないことを、目を閉じたまま強引に推し進めているのが小泉政権。

当のアメリカ自身は、イラクにおける米兵たちがイラクの人たちに何をしたのか?で明らかなように、とうに自信を失い、ますます自暴自棄になってゆく。

この国の政治家が、したり顔で「自己責任」という言葉を口にするのを聞いた時、恐怖政治の崖っぷちに立たされて、そっと背中を押された気がする。

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