[情報] 立川テント村弾圧事件第一回公判開廷
市民の怒りが逮捕された三人を後押し
五月六日、立川自衛隊監視テント村メンバー三名の弾圧事件の第一回公判が八王子地裁で開かれた。
開廷に先立ち、メンバーと支援者が、地裁前で情宣行動(ビラ配り)を行った。私もそれに参加したのだが、かなり反応があった。
今回の公判は、前回の法廷の四倍近く入る、七八人入りの部屋を使ったにも関わらず、一二〇人近い人が集まったため、傍聴はまたもや抽選となった。
午後三時。傍聴人が入廷し、公判が始まった。
「人定質問」に引き続き、三人が拘束された罪状等が記されている「起訴状」の朗読に入ったのだが、私には、とても「罪状」には聞こえなかった。「被告らは『共謀』し、自衛隊官舎に侵入、ビラを投函した」ということだったが、このようなことは、ポスティングのアルバイト等をやったことのある者なら誰しも経験のあることであり、起訴状は、単なる「活動報告」のように感じられた。
その後の意見陳述で、被拘束者の三人は、「この逮捕が不当である」ことを強く主張し、今回の事件に対する、「法の運用」そのものを強く批判した。また、この弾圧は、「自衛官の知る権利の侵害でもある」と、自らだけではなく、自衛官にも配慮した彼らの姿勢に、傍聴席からも共感の声が上がった。
これに対して検察側は、被拘束者たちの指紋などの証拠を提示したが、法の運用の是非については、一切言及しなかった。
公判終了後、テント村メンバーとその支持者らは、被拘束者の三人が乗っていると思われる車に向かって「頑張れ」とシュプレヒコールを行った(後にその車は、当局が手配した「ダミー」であることが判明した)。
今回の公判全体の総括として、市民の熱気と、問題に関する展望が見えてきたように感じる。次回の公判は六月三日だが、それまでに何らかの進展も期待できそうだ。(田中大也)
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【追記】五月一一日午後六時、三名は八王子拘置所から保釈され、二ヵ月半の拘禁から解放された。これは、裁判所が保釈を許可した後の、検察側の抗告が取り下げられことによる。