更新日:2004/05/02(日)
[コラム] 雑誌「噂の真相」休刊
雑誌『噂の真相』が休刊する。買って読むことは一度もなかったけれど、書店で必ず立ち読みする愛読者の一人だった。下劣とののしられようが、無責任と罵倒されようが、名誉毀損で訴えられようが、偉い人が裏でやっている醜い現実を暴き続けてきた。その徹底した反権力の姿勢に支持者は多い。
その最終号が、「イラクで銃撃された日本人外交官の犯人は、米軍だったのでは?」という暴露記事を載せている。ナンバープレートを隠して疾走する車を、反米テロ実行犯の車と勘違いした米軍が、威嚇射撃の後、銃撃したのだというものだ。直後に米軍の車列が目撃されている点、初動の米軍情報が奇妙に誤りだった点、銃撃された銃弾の鑑定結果が、いまだに公表されていない点、と疑惑の根拠を挙げている。
あり得る話だ。戦争の現実とは、小泉の頭の中にある認識とはおよそかけ離れた、醜く、悲惨で凄絶なものなのだから。イラク駐留が長期に続く米兵から、自殺・発狂・逃走が相次ぐ事実が、それを如実に示している。
戦争の現実を知る政治家の退場は、時間の流れと共に不可避であろう。革新であろうが、保守であろうが、戦争の現実を生きた日本人が、「絶対に繰り返してはならない」と選択してきた非戦の道が、小泉のようなガキに踏み越えられている。
「噂の真相」は休刊しても、我々の反戦を休んではならない。(M)
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