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更新日:2004/04/04(日)

[投書] 言わせて聞いて第1172号

オウム・サリン事件報道なにが「当然」だったのか?●愛知・H

ご承知のように、オウム教団の麻原被告に対して判決がありました。内容は、予想以上でも以下でもありませんし、ある意味では当然です。

しかし私自身は、全く納得できません。マスコミや街頭インタビューされる市民や新聞の投書欄を見ますと、世間も今回の判決を「当然」としております。しかし、十年前も、そうだったのです。松本サリン事件で。そう、河野義行さんが「犯人」であるのはマスコミも世間も「当然」だと。

私が河野さんを初めて見たのは、九六年の京都大学での学園祭でした。刑事法研究会の講演会で、会場からの質問の中で一番多かったのはやはり「オウム教団についてどう思うか」、でした。それに対して河野さんは、「まだ公判中で『推定無罪』であるから、オウム教団が犯人とはわからない」でありました。これこそ「当然」です。そして、八年の月日がたって有罪が言い渡されましたが、それでも河野さんは「オウム教団がやったとは実感がない」、としています。

これには私も意外でした。判決まで推定無罪ということは、逆に判決で有罪ならば「犯人」との実感が出てくるのでは、と私も何回も河野さんにお会いして、そうじゃないかと。でも河野さんが実感がない、と言うのも、やっぱり「当然」なんです。犯人扱いされて病床からも、そして自宅で弁護士の方と同席して、記者会見までして無実を訴えても、地下鉄サリン事件までマスコミも世間も疑いを捨てなかった。そういう忸怩たる思いがあるはずです。

そういうマスコミや世間が、ころっと変わりえん罪被害者≠ニしてまたインタビューをしてくる。だいたい、「地下鉄サリン事件があったから河野さんは無実」なんて、情けないです。いち早く河野さん犯人説に疑問を持って取材したマスコミが、『文春』誌であったとは!日本の市民運動家は、少し頭を冷やした方がよい。河野さんの方が憲法や刑事裁判に忠実であるからと。地下鉄サリン事件がなかったら、本当に河野さんは七人殺害で吊るされていたかもしれない。サリンにも比して恐ろしい。誤解を恐れずに言えば「オウム教団よ、地下鉄にサリンを撒いてありがとう」─そんな気持ちさえします。

「非暴力」と「暴力」をうまく結合できれば最高●埼玉・おかまのQP

「脱暴力」の記事を読んで。

人殺しになれるまで大変なのは、革命軍やゲリラ部隊でも同じだろう、と思うのですがー。あらゆる場合に、敵をだませれば、つまり相手の気持ちに訴えて成功すれば良いのでしょうけれどね。

脱暴力(非暴力)の半分はダマシで、もう半分は暴力を用いない実力行使です。暴力とこれらをうまく結合させてコトを行えば大成功なんだけど。脱暴力と暴力の両方の行使をうまいこと結びつけられたら、勝ったようなもんス。つまり、「脱暴力」は勝つチャンスをわざと半分にカットしてしまうやり方だと思うのです。

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