[情報] 無防備地域宣言運動・全国ネット結成
大阪市の直接請求運動4月末スタート
戦争国家化・有事関連法!
「上からの戦争国家作りを拒否し、地域から平和な社会を建設していこう」(大阪アピールより)と、三月七日、エル大阪(中央区)で、「無防備地域宣言運動全国ネット結成・大阪市の直接請求運動を成功させるつどい」が開催された。
この日大阪は、この冬最高の冷え込みとなり小雪の舞うなか、全国から二〇〇名あまりが大阪に駆けつけ、全国ネット結成が宣言された。今後大阪市で四月に予定されている直接請求運動を皮切りに、全国で「無防備地域宣言運動」が取り組まれることになる。
「無防備地域宣言」とは、@すべての戦闘要員並びに移動兵器および移動軍用設備が撤去されている、A固定の軍用施設または営造物を敵対的目的に使用しない、B当局または住民により、敵対行為がなされていない、C軍事行動を支援する活動が行われていない、との四条件を満たした都市が、無防備地域宣言を行うと、「いかなる手段によっても紛争当事国が、無防備地域を攻撃すること」を禁止するというもの。ジュネーブ条約追加第一議定書(一九七九年)第五九条を法的根拠とし、この規定を活用して「(平時から)戦争不参加の意思を表明し…、そのために地域の非軍事化に努め…、戦争の危機が迫った場合には自治体が無防備地域を宣言して戦争から離脱し、あくまで地域住民の生命財産を戦火から守る運動」(林茂夫)である。
いわば、戦力と戦意を完全放棄することにより、たとえ国家が戦争を行った場合でも地域での戦争を回避する「非武装中立宣言」の地域版なのである。その意味では、憲法九条が風前の灯火となっている現在、その精神を地域で作り直そうとする運動である。
国立市長も期待感を表明
この日の結成集会には、東京・国立市の上原公子市長も出席し、有事関連七法案提出への強い危機感を述べ、「市として無防備地域宣言が可能か検討中のなか、たいへん心強い動きだ」と全国ネット結成への連帯を表明した。上原公子市長は昨年六月、有事三法の可決成立について、「国民の世論に背を向けた暴挙」として、抗議声明を小泉首相にあてて送付し、「脅威」とされる北朝鮮の核問題に対しても、アジア地域の非核化提言、「非核三原則」の法制化、条約化など、平和秩序を構築するために主導的な役割を発揮するよう政府に求めている。
バークレー市から特別参加
また、バークレー市平和と正義委員会のスティーブ・フリードキン氏も特別参加し、連帯スピーチを行った。バークレー市は、米国・愛国法に唯一反対した上院議員=バーバラ・リー氏を輩出した地域で、二月には、本日の集会を祝福し、戦争廃絶のために活動している日本の市民に賞賛を送る決議を採択している。
カウンセリングと社会変革に関する講義を行っているフリードキン氏は、ガンジーの非暴力抵抗運動や南アフリカ・アパルトヘイト反対運動の例を引き、非暴力による紛争解決の可能性と重要性を強調し、また「日本の憲法九条の『正義と秩序を基調とする国際平和』は可能であるし、無防備地域宣言運動は、九条を世界に広げる運動と重なるよう願う」と語った。
大阪市条例制定直接請求署名 4/24開始
全国ネット結成と共に、大阪市で、無防備地域宣言条例制定直接請求運動が提案された。四月二四日(土)から一ヶ月間で、大阪市有権者約二四〇万人の二%を越える五万筆以上の直接請求署名を集めるという。
このため現在受任者を募集中で、期間中は主要ターミナルで署名活動を行うほか、戸別訪問も実施する。三月二〇日のイラク占領反対国際連帯行動では、参加者に協力を求める予定という。 受任者など連絡先:無防備地域宣言をめざす大阪市民の会 〇六―六九七七―六〇五〇(前田)