[社会] 自衛隊官舎へビラ投函で三名が不当逮捕
ビラ投かんで三名不当逮捕・六ヵ所ガサイレの暴挙!
二月二七日、立川自衛隊監視テント村メンバー三人が突然逮捕され、彼らの自宅や事務所六ヵ所が家宅捜索を受けた。
理由は「住居侵入罪」。自衛隊員やその家族に対し、イラク派遣について一緒に考え、反対の声を上げよう」と呼びかけるチラシをポスティングしたいうものだ。道義的にも法的にも常軌を逸した逮捕である。
とりわけ今回、異例であったのは、現行犯逮捕ではなく、令状を使っての事後逮捕という点だ。ほとんど前代未聞といってもよい弾圧的な法律行使で、イラク派兵反対運動への政治弾圧である。
この不当弾圧に抵抗し、この事件を広く知らせるために自衛隊監視テント村側は三月三日、立川市庁舎にて緊急の記者会見(共同声明)を行った。
弁護士接見も制限、長時間の取り調べ/記者会見現場
三月三日午後一時半、賛同する人のあまりの多さに、当初予定していたより広い部屋を使っての記者会見が始まった。
会見に同席した記者はわずかに数人。産経、読売などの右派メディアの姿は全く見当たらず、この事件を闇へと葬り去ろうとしているのが見て取れた。
テント村代表の加藤克子さんによると、「四〇点もの物品が押収された。パソコンや電子手帳など、ポスティングに関係のない品も多かった。拘束された被逮捕者への取り扱いも厳しく、なかなか弁護士に会うこともできない」と、弾圧的色彩の強い逮捕と拘束であることを改めて明らかにした。
また、担当弁護士に聞いた話として、「一日六時間〜八時間の取り調べを受けている」模様で、罪状と比較して極めて厳しい取り調べが行われていることも判明した。
加藤さんはさらに、「我々のような小さな市民団体にとっては大きな打撃だ。(この問題は)我々だけの問題ではなくて、全国的な問題だ。にも関わらずマスコミは伝えようとしない」と、マスコミが情報を流さない事への憤りを訴えていた。
また、テント村メンバーの井上氏は、「政治活動に限らず、チラシや郵便物を入れるポストというものは、情報を得るために外に開かれた空間であり、そこに何を入れようと、住居侵入にはあたらない」と法学上からの鋭い指摘をいれ、法的にもこの逮捕が不当であると説明した。
その後のディスカッションでは、「自衛隊に、『イラクへ行くな』とコンタクトをとることに対して警察・自衛隊上層部がかなり過敏になっている」「今までとは(弾圧の)段階が変わった。より直接的になっている」などの厳しい意見も飛び出し、記者会見は終了した。
暗い話題も多かったが、神奈川や埼玉からも参加者があり、テント村のメンバーからも「ビラを受け取ったり、会話のやりとりをしてくれる自衛隊関係者が増えてきた」という活動の成果を示す言葉が出るなど、市民の関心は日々大きくなってきている。テント村メンバーが逮捕されてから一週間足らずで反対の共同声明が約七〇〇人から送られてくるなど、この前代未聞の弾圧に危機感を覚えている人は非常に多いようだ。
最後に加藤氏が、「ここで萎縮してしまっては向こう(弾圧勢力)を増長させてしまう。声を上げていかなければならない」と、これからも活動を積極的に行うことを声明し、記者会見は散会となった。
この「イラク派兵反対勢力封じ込め作戦」は、かえって各地市民らの反発と団結を誘い、失敗しつつあるように思う。私もこれから注意深くこの事件の経緯を見守り、警察権力濫用に対して「 !」の声を上げ続けていくつもりだ。