[海外] カンボジア/ついに地雷発見!
「やっと会えたな」とつのる喜び(?)
実際に出てきたのを見ると、こちらも自然と気合が入ります。ええ、すごく気合入りました。もう「絶対にこの手で地雷を見つけてやる!」って。地雷を見つけなくても、撤去作業は実際にやっているわけですが、やはり地雷撤去を志したからには、「何としてもこの手で見つけ、処理したい」と思ってました。で、気合入れてザクザク掘っていく。この時は不思議と恐怖感はなく、ただひたすら地雷を見つけることだけを考えていました。
地面をえぐる。感触なし。数a横をえぐる。感触なし。更にその横をえぐる。何かがあたる(!)。もう一度つつく。何か硬い物。その周りを少し掘り、指でそれに触れてみる。木の根っこだ(…)。
再び地面をえぐる。何もなければまたその横をえぐり、何かが当たれば、それが何かを確認する。ひたすらそれを繰り返し、時々、ワイヤートラップがないか確認する。
そうやって横一b程の幅で掘りつつ、奥に進んでいきます。何度も石や木を掘り返し、三b位進んだ時、明らかに今までと違う感触があった。もう一度軽くつつく。間違いない。慎重に周りを掘る。指で触れてみる。金属だ。更にその周りの土をどけていく。
見つけた、地雷だ!
少しづつ土をどけていく。出てきたのは直径三〇a程のロシア製対戦車地雷。館長が水の補給のために村に出かけていたので、帰りを待って除去解体に移ることにする。
館長が帰ってくるまでしばらく時間があったので、なんとなく今自分が見つけた地雷を、ぼーっと眺めていました。なぜだかよく分からないのだけれど「この地雷は埋められてから何年もの間、自分を待っていたんじゃないか?」という気がして、しばらくそれを眺め続けていた。なんか「やっと会えたな」とでも言ってやりたいような気分になりました。「カンボジアの森の中で、地雷相手に何考えてんだ 」って感じですが、本当にそう感じてました。暑さと緊張感で、多少頭がやられてたかもしれません。
アレンが話し掛けてくる。 「これでお前もディマイナー(地雷撤去作業者)だな。俺は解体はやったが、探索と発見はまだなんだ。次は俺の番だ」
そう言われて、初めて「そうかー、とにかくやったんだわなー」と感じる。地雷見つけて喜ぶのもどうかと思うのですが、嬉しかった。自分が目指していたものからすれば、それはほんのスタート地点にしか過ぎないのだけれども、それでもとにかく嬉しかった。(つづく)