[情報] ベニスビーチでも、1月11日11時11分の平和アクション
──グローバルピースキャンペーン きくちゆみ
平和のために音を出す
ロスアンゼルスで「一月一一日一時一一分に平和のために音を出す」という企画をやろう、と決めたのはここに着いてから。つまりたった二日前のことです。グローバルピースキャンペーンを二〇〇一年九月一一日直後に立ち上げたときに、英語のメーリングリストも一緒に立ち上げたので、まず最初はそこで簡単なアナウンスをしました。日本で一月一一日一時一一分に平和のために音を鳴らそう、という企画があるので、あなたも自分の住んでいる地域で友だちと集まってやってください、というだけのものでした。
一月九日にロスに入ると、たまたま地元のチェリストのピーターさんとお会いしました。彼は民主党の大統領選挙に出馬しているデニス・クシニッチの支持者で、彼のパーティーで何度か即興演奏をしたことのある人です。彼にこの計画を話すと、彼の友人で、ベニス・ビーチで黒人バンドをリードしている人がいるから、そこでもこのイベントができるかもしれない。ともかく明日はそこに行こう、ということが急遽決定しました。何の前宣伝もできないまま、ともかく一一日はベニスビーチに向かいました。
「地球平和のイベントだ」
私たちは、マイクもアンプも何も準備できなかったのですが、ベニスビーチに着くと黒人バンドのアブラハムさんがすでに演奏をしていました(彼らは毎週ここで演奏している)。初対面の私たちを快く迎えてくれ、私は彼にこの日のことを説明しました。一時まで時間があったので、私もジャンベを叩いて、しばらく一緒にセッションをしました。一時になると、アブラハムさんはベニスビーチのボードウォークでの散歩を楽しんでいる人たちに向かって、こう伝えました。
「みんな、聞いてくれ。今日は地球平和のイベントが行われる特別の日なんだ。一時一一分になったら、地球上のあらゆる場所で平和のために祈り、音楽を奏でるんだ。そのために日本から来ているゆみを紹介する」と言って、私にマイクを渡してくれました。
一時一一分のちょうど二分前にマイクをもらった私は、「こんにちは。ここにいる人で平和を求めている人は手を挙げて(ばらばら、と手が上がる)。今日は地球上で一時一一分に平和のために音を鳴らそう、というアクションが行われています。ここアメリカではベニスビーチを選びました。音楽をするのに最もふさわしい場所ですから。私たちは今、平和の大切さを伝えにアメリカを旅しています。
あと三〇秒で一時一一分。時間が来たら『 Last Night I had Strangest Dream』を歌いますので、ご存知の方は一緒に歌ってください」と短いスピーチをして、いつもアメリカの平和集会で歌っている「世界中がもう二度と戦争をしないと決めた、とても不思議な夢をみた」という内容の歌を歌いました。
「平和の種をまき続けたい」
ベニスビーチで一一一アクション!(左がきくちさん) ベニスビーチは若者や家族連れでにぎわう海辺の散歩道で、ロスアンゼルスの観光名所でもあります。おしゃれなカフェやレストランやショップのほかに、地元のアーティストが作品を展示販売したり、ストリートミュージシャンが腕を披露したりするホットスポットです。観客はいくつもあるパフォーマンスの中から、自分の気に入ったものを見つけて足を止めます。
私たちが歌い始めると、散歩をしていた人たちが足を止め始め、観客の輪ができました。観客の輪の向こう側にはおしゃれなレストランがあり、そこの客もこちらに耳を傾けてくれています。一番前にいた老婦人と若い女の人が一緒に歌っています。小さい喜びが私を満たします。
いくつもの偶然が重ならなければ、ベニスでのこのアクションは不可能でした。みえない運命の不思議さに驚きを感じています。地球上のどこにいても、そしてどんなに小さなアクションでも、平和の種を撒きつづけることを大切にしたいです。
このイベントは東京から始まり、ここロスまで地球の自転とともに巡ってきました。何の準備もなく、まったく即席のイベントでしたが、ベニスビーチに集った数十名の人々と一月一一日・一時一一分の地球規模の平和アクションを分かち合うことができました。
演奏の後は、ステージの並びに仲間がテーブルを出し、いつものようにマンガ本『戦争中毒』とビデオ『第三世界に対する戦争』を販売しているテーブルに加わりました。明日からサンタクルーズに向かいます。私たちの平和の旅は、三月まで続きます。(一月一一日 ロスアンゼルスにて)
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