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編集一言2010年08月ログ

映画「キャタピラー」
 「キャタピラー」という映画を見た(8月14日より上映予定)。若松孝二監督、寺島しのぶ主演。ベルリン映画祭で、寺島が主演女優賞を取った。セックスシーンの多さが話題になった映画だが、考えさせられることの多い作品だ。
 映画は、日中戦争時代の日本軍による中国女性へのレイプシーンから始まる。モノクロの映像には、歴史を振りかえさせられる。戦争の実写フィルムもたくさん盛り込まれ、太平洋戦争中だという時代設定で物語は進むが、主人公の男が、戦争で手も足もなくして、ものも言えない男として、性欲と食欲だけが強調される。
 事実としてこういうことはあり得るだろうけど、その描き方のリアルさは、私に「フリークス」という映画を思い起こさせた。いろんな障害者が、サーカスで見せ物として働きながら、健常者に復讐するストーリーだが、アメリカで50年間も上映禁止となっていたそうで、日本でも部落解放同盟などの人が、「上映反対」を主張していた。「障害者を見せ物にするのはケシカラン」ということらしい。
 キャタピラーは、「戦争の悲惨さ」を訴えているのだろうが、私には、「男の醜さ」を描いた作品と映った。暴力にまみれた男が、身体の自由を失った時、より凶暴になり、性欲や食欲だけにエネルギーが集中するのだ。
 映画の最後に元ちとせの「死んだ女の子」という歌が流れる。トルコの詩人の詩だ。この歌が救いだった。(A)
2010年08月10日更新
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経済成長と民主党
 予想通り、菅・民主党政権が「成長戦略」という呪縛に足をすくわれている。その構図は、鳩山政権が米軍基地の「代替地探し」に足をすくわれたのとまったく同じ。
 菅新政権が成長戦略の原図として掲げた「第3の道」は、とっくに破綻したブレアのそれと比べても底の浅い、つじつまあわせの屁理屈にすぎない。どこに公共投資の投入先を変えようが、日本社会の基礎部分が変質してしまった現状で、その効果が波及的となるはずはないのだから。
 「日本に米軍基地は不要ではないのか」という基本的スタンスを民主党に求めることは、所詮、無理だった。同じように、「これからの日本社会に経済成長は不要ではないのか」という立場など、民主党から生じるはずもないのだろう。
 内田樹が「大人になるための経済活動」と題するインタビューで、経済活動の目的は「人間をより人間らしいものにすることに尽きる」と語っていた。だから、経済活動の結果、人間が退行しているなら、そんな経済活動は不要なものだ、と。
 とり囲まれてある現代社会の現状と批判的に向き合うところから、政治は始まる。そして、その批判の質が政治の質を左右する。民主党政治をどう批判するのかで、私たちも問われている。
 政権支持率の数字に浮かれて、消費税増税に踏み込んだ菅内閣。人々がそんな政治に安定多数を与えることはないだろう。(M)
2010年08月01日更新
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