編集一言2010年06月ログ
- 死を選ぶ労働者 (22日)
死を選ぶ労働者
5月13日に警察が発表した自殺統計によると、20代30代の自殺率が過去最悪だという。30代の人は職場の悩み、20代の人は就職失敗が一番の理由という。『結果が全て』という成果主義の社会は、働く人にとってすごいストレスになる。
かつて日本の労働運動の目標は、給料の引き上げと労働条件の向上だった。多くの労働現場では、働かないことを権利だと考え、人員の増加を求めたが、労働時間の短縮には向かわなかった。資本は正規労働者の賃金を上げるかわりに、成果主義を押しつけ、非正規労働者を安く、使い捨てすることで乗り切ろうとしたからだ。結果、労働者は、高賃金だが超過密労働か、自由だが安い賃金かの両極に二分化された。
不況感の増す中で、資本は正規労働者への要求をよりきつくし、非正規の労働者を切り捨てた。20代、30代の若者の自殺理由をみると、彼らの考える「社会的平均値地位」(中流という幻想といってもよいが)へのこだわりが感じられる。正規の人たちの「社会的平均値地位」から落ちることへの恐怖や、そこに入れないことへの恐怖は、死より怖いことなのだろう。
寄り道をすることや遠回りすることの楽しさを、子どものころに体験しなかった人は、挫折に弱い。右肩上がりの成長を信じてきた親の世代は、今の子どものおかれている状況がわかっていない。若者に、寄り道や遠まわりする楽しさを!(A)
かつて日本の労働運動の目標は、給料の引き上げと労働条件の向上だった。多くの労働現場では、働かないことを権利だと考え、人員の増加を求めたが、労働時間の短縮には向かわなかった。資本は正規労働者の賃金を上げるかわりに、成果主義を押しつけ、非正規労働者を安く、使い捨てすることで乗り切ろうとしたからだ。結果、労働者は、高賃金だが超過密労働か、自由だが安い賃金かの両極に二分化された。
不況感の増す中で、資本は正規労働者への要求をよりきつくし、非正規の労働者を切り捨てた。20代、30代の若者の自殺理由をみると、彼らの考える「社会的平均値地位」(中流という幻想といってもよいが)へのこだわりが感じられる。正規の人たちの「社会的平均値地位」から落ちることへの恐怖や、そこに入れないことへの恐怖は、死より怖いことなのだろう。
寄り道をすることや遠回りすることの楽しさを、子どものころに体験しなかった人は、挫折に弱い。右肩上がりの成長を信じてきた親の世代は、今の子どものおかれている状況がわかっていない。若者に、寄り道や遠まわりする楽しさを!(A)
2010年06月22日更新
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