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編集一言2009年12月ログ

これからの左翼
 ベルリンの壁が崩壊して20年。いろんな報道特集が組まれた。東欧の「民主化」は何だったのか、と。ポーランドの「連帯」の元幹部が、「こんな社会を目指していたわけじゃない」と述べ、それに対し、ワレサ氏は無言だった。ソ連型社会主義に問題はあったが、それを是正するすべを持たないまま「自由」を叫んだ結果、西側資本主義に組み込まれ、いいように振り回されてきた。
 第2次大戦後独立したアフリカ諸国の多くが社会主義を掲げたが、生産力主義、大量生産、工業化のソ連型はほとんど失敗した。この教訓が何ら生かされず、「経済抜きの政治批判」としての「自由化」は、資本主義競争社会へ必然的に組み込まれる。
 「労働者自主管理」のユーゴは、すさまじい民族対立、虐殺をまきおこした。最後までスターリン支持のアルバニアも、すごい民族対立となった。
 一党独裁がうまく機能している時に見えなかった弊害が、もろに見えてきただけなのかも知れない。
 それに対し、中南米では左翼が元気だ。「武装斗争」ではなく「選挙」で政権を獲得し、反対派を排除虐殺せず、徐々に経済を「新社会主義化」しつつある。「正義」をふりかざした「独裁」は道を誤った時、救いようがない。反対派との論争の中で、「民意」を獲得していくことが、これからの左翼に求められていると思う。    (A)
2009年12月27日更新
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国家戦略局の大臣は何を語る?
 国のかたちを考える時代がようやく始まっている。すでにバブル崩壊から20年近くの歳月が流れた。しかし世界は、暴力的で不公正な冨の集中がつづき、バブリーな投機市場が拡大の一途をたどった。それに付き合っていればどうにかなる、という刹那的な国家運営がようやく終わりをつげた。
 新たな政権の大臣の発言が注目を集めている。これまでの政官民の利権集団が解体されることが、拍手喝さいを浴びるという局面である。しかし、テレビでのパフォーマンスは飽きられてしまえば終わってしまう。
 この政権が本格的な中道左派政権らしくなっていくには、環境と雇用に関する国家の戦略を語る必要がある。つまり、人は何のためにどう働くのかという問題を、国家の軸に据えることが必要だ。
 デリバティブ商品を開発した技術者が、いまニューヨークの海で、牡蠣の養殖をして暮らしている。これで生きていくには十分の収入がある、と笑った。なかなか象徴的な笑いだった。少し寂しく、少し誇らしげに見えた。
 元プロサッカー選手の中田英寿が日本の農業を見て回るという番組が始まった。最初は宮崎県綾町の有機農業だった。良かったのは人間の誇りや地域への愛着が垣間見えたことだった。
 人びとの関心が本格的に農林水産業に向き始めている。国家戦略局の大臣は自分の言葉で何を語るだろうか。(I)
2009年12月19日更新
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政権交代による「変化」の変化
 鳩山首相の初めての所信表明演説のキーワードは、「居場所と出番」だった。名もなき市井の人々に、居場所と出番を再構築したいという訴えは、政権交代による「変化」を感じさせるに十分だ。まだ、何ひとつ変わってはいないけれど、人々は「変化」を感じ、なにがしかの期待を膨らませているようだ。
 自民党政権の強い支持基盤とされてきたJAと日本医師会が揺れている。農水省の出先機関として、税金を農家に届ける権限を独占してきたJAをカヤの外に置く個別保障。保険診療制度の中枢に位置する中医協のメンバーから外された医師会。中央権力の移行に乗りおくれまいと、方針転換で忙しい。
中央と地方の関係にも「変化」の兆しが見え始めた。タテマエだけの地域主権が、上と下から挟撃されて、自治に不慣れなお役人世界は、これまた、混乱ととまどいが渦巻いている。
 しかし、こうした「変化」の予感が、政治への信頼回復につながると断じるのは早計にすぎる。「変化」がこの先、どう変化していくのか。人々の政治不信の根は十分に深い。民主党への不信もまた、相当に深いものだから。
 変化は外から与えられるものではない。変化は自らが変化することで生み出すもの。世界の変化に耳を澄まし、目を凝らして、自分たちが創り出すものだ。
政権交代が準備しつつある、さらなる政治の流動化の中で、私達がどう生きるのか。眼目はそこにしか無い。(M)
2009年12月06日更新
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