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編集一言2009年07月ログ

キューバ街角インタビュー ハバナ大生が語る社会主義・ラテンアメリカ
 「世界は変化している。だから社会主義も日々変化しなければならない」─こう語るのは、ハバナ大マクディエル・ファイフェ君(24才)だ。90年のソ連崩壊の原因、その後生き残っている「社会主義」諸国の現状、中南米で生まれた左派政権について聞いた。
 まず、ソ連崩壊の原因については、「資本主義に比べて社会主義の経験の浅さ」を指摘する。300年近く変化を続けてきた資本主義に対し、社会主義国会の経験は90年。「子供は間違いを犯しながら学び成長する。同じように社会主義も間違いを正しながら少しずつ成熟していくのではないか」と語る。
 こうした教科書的な答えでは納得できない。「じゃあ、その間違いとは具体的に何か?」。ソ連について彼は、@スターリンの恐怖政治、A民衆と切り離された官僚制度、そしてB民族問題についての無理解をあげた。
 さらにベネズエラをはじめとするラテンアメリカの左派政権については、「まだ、実験の途上だ」と評価を保留した。それでも、資本主義と全面的な対決を避け、妥協しながらも、新しい社会主義のあり方を模索しているベネズエラやボリビア等各国の「様々な実験的多様性に注目している」という。キューバの社会主義も日々変化していっているからこそ可能性を感じているようだ。
 「社会主義」というと、いつの頃からか「停滞的・官僚的」という修飾語が浮かぶようになった。「変化し進化する社会主義を!」「現実と格闘する社会主義を!」ハバナ大の学生はこうしたかつてのスローガンを思い出させてくれた。(編集部 山田)
2009年07月29日更新
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麻生の消える瞬間
 水村美苗の『日本語が亡びるとき』がベストセラーとなったのは昨年秋のことだった。この本を読んで、たしか御亭主だったと記憶している岩井克人の影響を強く感じた。小説家と経済学者。イェール大でどんな思想的交流が生まれたのだろうと思わずにはおれないほどに。
 柄谷行人がこの2人の交流に重なっていたのだろうと確信したのは、「柄谷行人、政治を語る」を読んだ時だ。そして、一面識もない3人の交わりを生き生きと実感させてくれる「言葉」のすばらしさを思わずにはおれなかった。
 それにしても、麻生のコトバはヒドスギル。ほとんど言葉を読んだことがないのではないだろうか。漫画とアニメの世界で生きてこれた大人が首相となる国。そんなのを担ぐ政治屋を選んだ有権者。
 騒がしいからと党首討論の野次が規制された。票ほしさに手のヒラを返したように黙ってしまう政治屋。野次が真実を照らすことがある。野次一つで、時代が変わることもあるだろう。世界を貫く言葉の力によって。
 政治は常に、代表たらんと欲する人の手にゆだねられる。人々は日々の生活にあけくれながらいつも自らを代表してくれるであろう人の出現を求め続ける。その間をむすぶのは言葉。
 税金を使って、プリウスとエアコンを買い支える行為で、人々を代表しうると錯覚している麻生の消える瞬間が近づいて来た(M)
2009年07月26日更新
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農業と福祉
 最近、福祉の領域から農業にやってくる人と出会う機会が増えている。「障害者の作業所で働いてきて、心身ともに疲れてしまった。心機一転、農業で働いてみたい」という人から相談を受けた。農業研修を受けるために有機農業農家を紹介して一晩、ゆっくりと話し合ってもらった。その結果、「福祉の仕事を中途半端にして、農業を仕事にしても同じことの繰り返しだ」と農家に言われたという。よほど農家のほうも気に入ったのだろう、本音の話をしてくれたようだ。
 そのことから、彼女は“農業と福祉”のことを本気で考え始めた。園芸療法士を仕事とする人を招いて、一緒に考えてもらった。精神障害の施設で働いているという。「園芸療法にノウハウはない。家族を心配するように一対一で向き合えるかどうかが日々、問われる」。そういえば農業をノウハウ化していくにつれ、私たちは生き物を絶滅させる農法を生み出してしまった。
 農業講座に障害者施設で働く人が来ていた。どうして参加したかを問うてみた。「施設で農業を始めた。いのちと向きあうという点で共通している。“育み”が農業と福祉の本質だと感じる」という。
 このような言葉を受けとめる農業現場を作り出していくことが、最近の“農業ブーム”でなく“農業の時代”を切り開いていくのだろう。いのちの循環の中に持続可能な仕事を生み出していこう。(I)
2009年07月23日更新
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自民党支配に終止符を
 総選挙が近づいてきた。とにかく、自民党支配に終止符を!混沌とした政治状況を作り出すきっかけに!というのが今回の総選挙での最大の目標であり、願いである。
 愚民政治が常態化し、観客に成り下がった私たち庶民、形だけの「民主主義」しかない現状を変えることが何より問われている。マスコミの世論操作に乗せられて、受身ではいつまでたっても何も変わらないことをもっと切実感をもって思い知らないとダメなのだろう。
 今回の選挙が「私たちの未来を問う」ものだとは更々考えていないが、政治への失望感をもっと深く味わい、庶民が様々な徒党を組み、政治参加を求めて能動的な行動に一歩を踏み出す社会状況が醸成されていくことに寄与するものであってほしい。
 「世界的な金融危機」に端を発し、根本的な社会変革が求められる状況に違いないとは感じつつも、その道筋は一向に見えてこない。元の木阿弥となる可能性の方が今では大。そして危機は繰り返す。「深刻の度合い」は一層深い混沌とした状況を引き起こす。
 社会の根っこにある「価値観」の転換が求められている状況に対応した政党が生れる様子はまだないが、それまでは解体、再編、離合、集散を繰り返していくのだろう。そんな政治状況が生れることがとりあえず必要な時期だと思っている。旧態依然の音痴、権力欲だけしかないような政党はさっさと消えてもらう必要がある。(S)
2009年07月21日更新
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「秋葉原事件から1年」
 「秋葉原事件から1年」とマスコミが報道していた。被害者の声、家族の声が取材され、犯人への憎しみ、怒りがあおられ、「死刑」があちこちで語られている。
 広島の少年院では教官たちの「暴力」が日常化していたという。一見関係ないかのように見えるが、私に感じられるのは、「悪い人間は殺すしかない」という単純な思考だ。
 カンボジアで大量虐殺が行われた時、間違いを犯した人間を再教育するには、時間や金がかかるので、若い人は教育して、大人は殺すことにしたという。たしかにその方がてっとり早いが、殺される方はたまったものではない。
 何が正しいか、間違いかという大きな問題もあるが、間違いをおかした人間を罰して済む問題ではない。
 栃木の幼女殺人事件で17年も獄に入れられた人は「冤罪」だった。彼を罪に陥れた警察・検事・裁判官こそ罰せられるべきだ。間違いを犯さない人間はいない。4月の読売新聞に、財政難で死刑を廃止したアメリカのある州の話が載っていた。アメリカでは1人の人間を死刑にするのに3億円かかるので、1億円かかる終身刑の方が安いとの理由だという。被害者の怒りや憎しみを解消する費用と再発を防止する費用をハカリにかけるなど、日本の庶民感情にはなじまないが、おもしろい「死刑廃止論」だと思う。(A)
2009年07月19日更新
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