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編集一言2006年11月ログ

ブッシュの終焉
 全世界注目の米国議会中間選挙は民主党圧勝に終わった。ラムズフェルドは辞任に追い込まれた。ニカラグア大統領選挙はオルテガが勝利。サンディニスタの闘士が政治の表舞台に戻ってくる。
 9.11の衝撃が人々に沈黙を強いるなか、大手を振って、さも世界の正義であるかのごとく戦争を続けてきたブッシュに死が告げられようとしている。フセインに死刑が宣告されたごとくに。
 彼らが同じ穴のムジナであることを、世界の人々は感じてきた。そしてフセインを裁くのは、イラクの人々であってブッシュではない。やがてアメリカの人々がブッシュを裁きにかけるのと同じように。
 小泉の後を引き継いだ我らがお坊っちゃま首相はどうするのか。金正日に応援してもらって、何とか歩き始めたはいいけれど、本音と建て前の使い分けが巧すぎて。
 思想もないけどしがらみも無かった小泉の唯一の後ろ盾がブッシュだった。おかげで日本は米国の極東の1つの州と化し、世界から冷笑を浴びている。右翼思想にかぶれた坊っちゃんに小泉ほど追随外交が演じられるのか。パートナーは変わりつつあるのに。
 安倍を裁くことができるのは日本の我々でしかない。世界が変わりつつあるという実感を糧として、幾千万もの人々が励まされ、立ち上がり、歩み始めている。さぁ。我々も!(M)
2006年11月29日更新
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農の変革が社会の仕組みの変革へ向かう
 いま、時代の変革にあって、あらたな大衆運動が望まれている。そのためには本格的な変革思想の構築が求められると同時に、柔軟で確固とした運動綱領が必要なのだろう。農的くらしへの希求は世代を超えて全面化している。この潮流をグローバリゼーションへの対抗力としてきちんと評価し、農業と環境の合流を目指したい。農の変革が社会の仕組みの変革へ向かうだろうという考えは、決して新しい発想ではなく、これまで危機の時代にあって繰り返し現れてきた。その方向づけを誰がするのかが問われている。人権と平和と環境といった21世紀の普遍的課題を掲げた主体が、農業の変革を現実的にすすめなくてはならない。
 農村の崩壊が急である。これまでの谷筋の奥から順にというだけでなく、平場の農村の中で遊休農地の拡大という目に見える形の崩壊が始まっている。地域社会を底から支え文化や宗教や民族の源泉を形作ってきた根本が崩壊しようとしている。この地域社会の混沌を再編し、新たな道筋を明確にするためには、農と食と環境がキーワードとして必要だろう。
 「農地・水・環境保全向上対策」という国の方針は、農村の崩壊に対する政府なりの危機意識の上にたっている。しかし、それを実行する主体の崩壊はすすみ、行政の政策能力は低下している。どの思想が、どの勢力がこの危機に対処できるのか。正念場である。(I)
2006年11月20日更新
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映画「キンキー・ブーツ」に見る少数派のやさしさ
 「キンキィ・ブーツ」というイギリス映画を見た。安い外国産の靴に追われて倒産寸前の靴メーカーが、紳士靴をやめてハイヒールのドラッグクィーン(女装する男性)専用ブーツに挑戦する物語。工場の労働者の中にはマッチョでホモフォビア(同性愛嫌い)の男がいっぱいいる。その中心の白人労働者は、パブの腕相撲チャンピオン。ハイヒールブーツには非協力的。
 一方ドラッグクィーンの方は黒人で大男。こどもの頃から女装が好きで親からもいじめられたようだ。白人の男と黒人の男がパブで腕相撲に挑戦。白人が勝つのだが、実は、黒人の方が手を抜いていた。
 「なぜ力を抜いた」と白人が聞くと黒人は、「負けた時のみじめさはよく分かっているから」と答える。
 さんざん虐げられてきたマイノリティーのこの発言。この優しさに白人の男も心を入れ替え、ブーツ作りに率先して協力するようになる。少数派が、多数派に一時的に勝利することは結構あることだが、多数派になりきれない限り、逆に負けた時より反動がきつい。マーチン・ルーサー・キングは、「非暴力直接行動の思想は、敵を尊重することだ」と言った。人民内部の矛盾を敵対矛盾にしない一つのモデルを見せてもらった。
 日本の靴産業も同じようなしんどさをかかえているが、そのことも合わせて考えながら、心温まるユーモアのある作品だ。(A)
2006年11月15日更新
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単純労働や短期労働だって、誰かが必ずやらねばならない
 10月31日、NHKの『クローズアップ現代』で、「非正規雇用と労働組合」をとりあげていた。最初の若者は、「アルバイトでは食えないので、正社員になるため頑張っている」と言っていた。後半のマクドナルドの人たちは、正社員というのは「店長」か「店長補」で、とても過酷なため、労働組合を作った、と言っている。しかし彼らは、パート・アルバイトに対しては管理職の立場なのだ。
 安倍首相は「再チャレンジ」とか言っているが、騙されてはならない。「正社員になること」がいいことなのか?「正規雇用」と「非正規雇用」という表現自体が、臨時や日雇い、パート・アルバイトを差別した表現ではないだろうか。専門的知識や熟練労働に、それなりの代償を払うことには何の異議もないが、単純労働や短期労働も誰かがやらねばならないものならば、そういう労働でもメシが食えることが当然なのではないだろうか。
 一時期、釜ヶ崎の日雇い労働の賃金がとても高いとびっくりする市民がいたが、短期・臨時的労働ならば、それでも、年収・生涯賃金の額でみるとサラリーマンとは比べものにならないほど低い。
 「今の時代、日本で正社員というのは管理職だということ」をきっちり認識すべきだ。(A)
2006年11月12日更新
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DVD『九一一の真実』&「ユナイテッド93」 大阪・梅田OS劇場前で街頭宣伝
 「911」五周年を迎えるこの秋、全国の映画館で『ユナイテッド93』というハリウッド映画が上映されている。「九一一事件」でハイジャックされたとされる四機の飛行機のうち、唯一建物に突入せずにペンシルベニア州の林の中に墜落したとされるユナイテッド航空九三便。『ユナイテッド93』はその機内での、乗客と「テロリストとの戦い」を描こうとした映画だ。全米の新聞雑誌の映画評を集計するウェブサイト「ロットントマト」では、九〇%もの支持を集めている。アメリカでもイラク反戦の声が高まるなか、「テロへの怒りを今一度沸き返してやれ」とばかりのブッシュ政権のイメージ操作のにおいがぷんぷんする。
 九月九日(土)、編集部はこういった米の国策映画に対抗して、この映画が上映されている映画館の前でビラをまきながら、『九一一の真実』DVDの宣伝活動を行った。カップルや観光客ら、若者たちでごった返す土曜の夕方の繁華街。「九一一事件には、説明されていないいくつもの疑問点があります」「政府の発表やマスコミの報道は真実を伝えていない」「このDVDを使って、自分の目で見て、自分の頭で考えて、本当の真実をつかみ取ってほしい」と訴えた。情宣中、若いカップルや壮年の男性ら、DVDへの問い合わせが相次いだ。ひとりでも多くの人にこのDVDを観てもらいたい。
 なお、「ユナイテッド93」は事実を忠実に再現した映画ではない。複数の乗客が、機内から地上の家族らと携帯電話で連絡を取っていた、その家族らの証言をもとにしたフィクションだ。映画では乗客がコクピットの扉を破ってハイジャッッカーと操縦桿を奪い合うシーンがあるが、家族の証言からも通信記録からも、そのような事実は確認されていないことが明らかになっている。また、ユナイテッド航空93便は米軍のF16戦闘機によって撃墜されたという説もある。
(編集部・中桐)
2006年11月07日更新
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核実験騒動に浮かれる日本
 「え?例の”地震”?警戒体制取るようなこっちゃないよ。完全にいつもの通りだ」在韓米陸軍司令官のコメントだ。かたや「日本に対する脅威は倍加した」と予算委員会で安倍は絶叫。先制攻撃だ、臨検だ、「周辺事態」だともう気分は完全に戦争モードだ。
 自民党は12日の外交・国防関係の合同会議で、北朝鮮に出入りする全船舶を対象にした臨検が実施される場合に備え、臨検にあたる米軍以外の他国の艦船に対しても給油などの後方支援が可能となるよう、新たな特別措置法を制定する方針を確認。米軍への協力方法に知恵を絞っている。
 今回の核実験騒動での政府のねらいが見えてきた。米軍奉仕法である周辺事態法の実績を作ることだ。事態法適用なら民間港も使いたい放題で、日本列島は「戦時」に突入する。暴走以外の何物でもない。
 「事態法」には国会承認が必要だが、問題なのは「挙国一致」国会にブレーキはないことだ。安倍自民党の気分は完全にクーデターだが、野党にも相乗りしたいと思っているのが大勢いる。「将軍様」のお力添えで、安倍は今、盆と正月がいっぺんにやってきたような高揚感で一杯だ。何をやっても何を言っても「どうぞどうぞ」だ。こんなについているんじゃ、オレの任期中に改憲もできるかな。「周辺事態」から一気にクーデター的改憲でアメリカと共に戦う「美しい国」の誕生だ。(H)
2006年11月06日更新
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安倍新政権と「美しい国 日本」
 安倍新政権の憲法改悪、教育基本法改悪、日米集団安全保障の三大政策とキャッチコピー「美しい国 日本」の対比はあまりにもグロテスクである。初めての戦後生まれの首相というが、支持率67%(6紙平均)には恐れ入った。戦後の空洞化もここまできたかという感じである。
 安倍晋三のウィークポイントは戦後史の欠落である。祖父にあたるA級戦犯岸信介を尊敬するという超タカ派の日本的保守主義者であるが、彼の歴史認識からくる昔「鬼畜米英」今「鬼畜北朝鮮」では、いくら新世代を装ってもアジアでもアメリカでも物笑いになるだけである。
 これを打開するキィーワードはアジア支配の日米軍事再編でも中国主導の6ヵ国協議でもなく、ましてや靖国参拝隠しでもない。それはたとえ時間はかかってもアジアの民衆連帯、人民の平和交流による不戦の誓いと絆を築きあげるしかない。もはやナショナリズムを棄てる以外に平和の道は望めないのである。
 来年の参議院選挙での与野党逆転に期待する声も多いが、それはワンステップであって、人民の対抗主体の形成なしには日本の未来はないだろう。日本では少数派であってもアジア人民連帯は多数派であることを確信するのがわれわれの希望である。(F)
2006年11月05日更新
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辺野古非暴力抵抗運動の象徴=平良夏芽さん被逮捕 検察、勾留延長請求できず早期釈放勝ちとる
 「早期釈放の理由は?という質問は間違っています。元々逮捕する理由がなかったのですから」
 釈放された平良夏芽さんは、名護署前で待ち受けた多くの仲間たちにこう挨拶し、大きな拍手で迎えられた。
 平良夏芽さんは、辺野古基地建設に反対する「平和市民連絡会」共同代表で、海上基地建設のためのボーリング調査を非暴力で阻止し続ける抵抗運動の象徴的人物だ。
 九月二五日、「公務執行妨害の現行犯」で逮捕されたが、「平良氏、被逮捕」の報が伝わるや、全県・全国から駆けつけた人々が深夜も含めて常時名護署を包囲し、電話やファックスによる抗議が名護署に殺到。警察機能は麻痺状態に陥ったという。
 平良氏によると、在沖米軍キャンプ・シュワブゲート前で、名護市教委の車を止めようと身を投げ出した際、車が前進。車の下に潜り込んだ形になり、機動隊に引きずり出されたという。その後、事情を聞きたいと警察官に呼ばれ、そのまま連行された。狙い撃ちの不当逮捕だった。
 平良さん逮捕は、今後の厳しい弾圧を予感させるが、検察が勾留延長を請求できなかったのは、名護署への予想を超える抗議に慌てふためき、「この問題を政治問題化したくないという政府の意向が働いたのではないか」。ヘリ基地反対協・安次富浩さんは、語る。早期解放は、基地建設反対、不当弾圧抗議行動の勝利である。
 平良さんは、「私たちが負ければ基地が作られ、多くの人々が殺される。負けるわけにはいかない」と闘いへの決意を述べた。
2006年11月01日更新
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