人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people★jimmin.com (★をアットマークに)
HOME反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事

編集一言2006年05月ログ

自民党の「女性軽視・障害者軽視路線」
 4月23日の千葉7区の衆院補欠選挙で、民主党の太田和美さん(26才)が当選した。自民党議員の選挙違反による辞職から始まった選挙だが、同県選出の民主党永田議員のメール問題もあって、自民党は自信満々だった。結果は小差で太田さんの勝利。マスコミは小沢代表期待論を勝因と報じたが、私はそう思わない。
 3月に千葉県議会は、堂本暁子知事の提案した「男女共同参画センター設置」を否決し、障害者差別反対条例を継続審議にした。ちなみに公明党は男女共同参画センターに賛成だったが、県議会で3分の2を占める自民党が反対したためだ。千葉県自民党は、堂本知事に対して激しい攻撃を繰り返してきた。太田さんに対しても「週刊文春」など右翼週刊誌は、選挙期間中にねらいを定めたように彼女がもとキャバクラ勤めだったことを暴露して攻撃していた。
 この間の憲法改悪論議の中で、24条を改悪しようとしている動きと連動し、男女の役割分業が推進され愛国心が強調されている。格差拡大の中で、貧富の差や男女の差別や障害者差別を「民族、愛国」でごまかそうとする自民党の動きに対し、日本国民は言いなりになってきた気がしていた。
 だが、自民党が調子に乗って、「女性軽視・障害者軽視路線」に走るのを、民衆は黙って見過ごさなかった、と私は思いたい。女性たち、障害者たち、もっと怒ろう。労働者、野宿者も負けずに怒ろう。(A)
2006年05月31日更新
▲最上部へ戻る
米兵四〇〇名がイラク兵役を拒否して、カナダへ逃亡
 数百人の米兵が国境を越えてカナダへ入り、政治難民としての保護をカナダ政府に求めている。彼らは、「米軍がイラクで戦争に関する国際法を無視する活動をしているので、それへの加担を拒否するのは政治難民処遇に値する」と主張している。
 二人の米兵に関する決定が近々下される予定で、一つのテストケースとして、国境の両側から同僚兵士の関心に満ちた視線が注がれている。すでに亡命申請をしている米兵は少なくとも二〇人はいる。二〇〇三年イラク戦争開始以降、脱走兵は九〇〇〇人以上にのぼり、そのうちカナダへ逃亡したのは四〇〇人ほどと推測されている。
 カリフォルニア州フレスノ付近の町出身のライアン・ジョンソン(二二)は、昨年一月に部隊とともにイラク派遣が決まった。彼は六月にカナダ国境を越え、政治亡命を求めている。
 「ぼくはイラクへ派遣された多くの兵隊たちと話し合った。彼らは、民間人殺害や民家の爆破などをやらされたことを話してくれた」と、ジョンソンは『ガーディアン』記者に語った。「カナダへ来てからは毎日楽しいよ。何人かイラク戦争へ行った人たちもいたけれど、みんな親切で、ぼくのことを理解してくれる」。彼はもう米国へ帰れないけれど、「そんなことは問題じゃない。カナダで暮らすよ」。
 初めてのテストケースになる二人は、第八二空挺師団から脱走したジェレミー・ヒンツマン(二六)と、第一ヘリ機動隊から脱走したブランドン・ヒューイである。彼らの亡命申請に対する決定は数週間以内に出る予定。「もし申請が拒否されれば、控訴裁判所、さらにカナダ最高裁判所へと上告するつもりだ」、と脱走兵たちの法的代理人を勤めているジェフリー・ハウス弁護士(トロント在住)は語った。少なくとも来年まで続く裁判となるという。
 過去も現在も含めて、すべての脱走兵はFBIの指名手配リストに載る。今月初め、三八年前のベトナム戦争の時の脱走兵アレン・アブニーが、カナダから米国へ入国時に逮捕された。これまで何度もやってきたことで、何ら問題なかったのに。彼はカリフォルニアの軍刑務所に数日間収監されただけで、釈放された。
 「長い間眠っていた逮捕状を復活させたのです」と、ハウス弁護士。「私の知っているだけでも、一五人のベトナム戦脱走兵が平気で一〇回も二〇回もカナダと米国を行き来してきました。ところが突然彼らを逮捕し始めたのです。どうやらイラク戦争と関連しているようです」。
 トロントの反戦兵支援キャンペーンのコーディネーター、リー・ザスロフスキーは、亡命を求めている若者たちを見て感動する、と話した。「実際にイラクへ言った者もいるし、話だけを聞いた兵士もいます。いずれにせよ、彼らは、軍から嫌悪すべき任務を命じられることが嫌で、そのことばかりを語り合っています。彼らはほとんど愛国者です…ただ軍からペテンにかけられた気がして、怒っているのです」。
 ベトナム戦争の間、兵役拒否して国境を越えた脱走兵の数は五万人から六万人であった。(ガーディアン電子版・三月二八日 ダンカン・キャムベル)
2006年05月19日更新
▲最上部へ戻る
イスラエル新政権について──寄せ集めの連立政権は長続きしない
 今回のイスラエル選挙結果を見て、ウリ・アヴネリは、「対パレスチナに関しては、イスラエルがやや左傾化した」と書いているが、パレスチナ人のアリ・ジャルバウィ(ビルゼイト大学政治学教授)は、「右傾化した」と書いている。イスラエル人とパレスチナ人の楽天論と悲観論の違いであろう。
 カディマ党が「中道」扱いされるのを、アブネリは「左傾化」と考え、ジャルバウィは、「全体が右傾化したから、あんな右派が中道扱いされるのだ」、と考えたのである。
 イスラエルの政治勢力を、少し荒いが、三分類すると、1 二国家併存解決を実現するためにパレスチナ人との交渉を求める勢力、2 ガザ撤退のような一方的撤退を行い、西岸の一部をイスラエル領に編入、残りをパレスチナ人に与えて、入植者をそこから撤退させる隔離・分断勢力、3 一切の領土的譲歩を否定するグループ、となる。
 新オルメルト連立政権にはこの三勢力が全部入っているから、その複雑さは日本の民主党の比ではない。先ず中心のオルメルトのカディマ党は2のグループで、閣僚数は一〇人、「左」の法案を通す時は左派と組んで多数派を構成、「右」の法案を通す時は右派と組んで多数派を構成する、という使い分けができる立場。
 やっかいなのは右派ファシスト党ロシア系移民のリーベルマンで、右派ではあるが、3ではない。かれらは一部の領土をアラブ人に与える代わりに、そこに占領地のパレスチナ人ばかりでなく、イスラエル国内のアラブ人を全部追い出して住まわせようとする民族排外主義者なのだ。その意味では、2のグループに入る。
 アミール・ペレツの労働党は1のグループで、六人ほどの閣僚数。オリエンタル系ユダヤ人宗教政党シャス、正統派ユダヤ教政党、その他右派が、前述のリーベルマンの党と合わせて七閣僚数。他に年金党が二閣僚。
 こんな連立内閣が長続きするはずがない。もし長続きするとすれば、良い悪いはともかく、みんな信念なんか持ち合わせていない日和見主義者であろう。(脇浜義明)
2006年05月16日更新
▲最上部へ戻る
小泉は自民党をぶっ壊したのか?
 「小泉劇場」5年間の終幕は、千葉7区の衆院補欠選の敗北で暗転したかに見えるが、もうすでに「自民党をぶっ壊した」小泉の役割は終わったのであって、偽メール事件の奈落の底から逆転勝利した小沢民主党の浮上は二大保守政党をセーフティネットとする日本支配層にとっては、救いの神風だったのかも知れない。
 基本的には世界資本主義の体制的危機は20世紀の冷戦体制の崩壊によっても21世紀に持続的しているのであって、新自由主義グローバリゼーションなるアメリカの一極支配体制も、アフガン、イラク侵略戦争は早くも破綻しており、足下の中南米やEU統合のヨーロッパでも暴動につづいて左翼政権が台頭している。
 アメリカべったりの日本だけが例外であって「小泉改革」はグローバリゼーションの優等生であったが、そのツケは米軍再編の巨額負担となり、中国、韓国やアジア諸国を敵にまわして軍事的、外交的に孤立する結果となった。
 「危機」は同じく日本の左翼にも及び、東西冷戦の崩壊と共に自己能力と力量不足が露呈して、戦後革新の自己総括すらできない無惨な姿を曝している。いま、われわれ労働者、人民にとって必要なことは戦後左翼を乗り越え、自己総括、自己解放の自前の政治勢力を作ることではないだろうか?(F)
2006年05月10日更新
▲最上部へ戻る
〈たべもの〉を、自らの手に取り戻すための闘い
 この10年、WTOが猛威をふるい、FTAがさらにそれに追い討ちをかけている。この経済のグローバリゼーションによって、家族ファーマーの経営が立ち行かなくなり、農村の崩壊が引き起こされている。それによって貧困と飢餓が新たに生み出され、水資源が略奪され、環境破壊が世界的な規模で引き起こされている。また、農村の崩壊によって地域固有の伝統的な文化、郷土料理や在来種に代表される地域に根ざす文化が消滅させられている。
 この課程で、巨大多国籍企業の支配が強まり、各国政府は国家主権を失っていく。何ということだという声は、巷にあふれている。いま、グローバリゼーションを経済と軍事を操りながら進めている一握りの人々を念頭に置きながら、もう一つの世界を作り出すための運動が各国で始まっている。
 それは農民を中心とする動きであり、食料主権を巡る基本的な国の枠組みを決定する動きである。農業生産とそれを取り巻く環境とそこから生み出される〈たべもの〉を、自らの手に取り戻すための闘いである。
 日本でも、生産現場を知る農民が参加し、地域ごとのビジョンと連帯を作り出し、環境問題・エネルギー問題も視野に入れ、幅広く一般市民が参加できる活動の形を提案し、地域間連合によって全国のうねりが生まれるような運動を提案すべき時期が来ている、と思う。(I)
2006年05月05日更新
▲最上部へ戻る
折々のうた
 朝日新聞の1面に「折々のうた」が帰って来た。人々が折に触れて詠むうたに、人の思考の奥深さを思う。それに比べて、日本の政治の何と貧困で卑しいことか。
 単純で浅薄なワンフレーズ政治に、金目当ての札つき情報屋のガセネタメールに飛びつくガキ野党の泥試合。京都の府知事選挙では、「女性知事」と赤字で大書きされた政党ポスターが氾濫している。女性知事なら誰れでもいいのか共産党。
 それは、女性蔑視ではないのか。自分達の府政に対する政策を実行しようとする候補者が女性だっったのなら、「女性知事」とだけ大書きするポスターはないもんだ。日本共産党も深く深く病んでいる。
 ラディカルで、愛嬌があって、人々の心の奥底に響く政治の言葉はどこへ消えたのだろうか。モノをつくる現場の日々の積み重ねの中から鋭く時代を見とおして来た、あの時代を担い続けて来た大人達に届く政治はどこへ消えたのだろうか。
 道具に溺れ、手段に走らされ、即席をもてはやして来た時代の流れは強い。しかし、人々の生活の源は、あまり変わってはいないのではないのか。1人1人・1日1日、人が呼吸する現場で、人と人の間に在る、目に見えぬむすびつきをとりもどし、変えていく。政治の力はそこにしか生まれては来ない。
 フランスで、街頭にあふれ出た若者達の叫びに励まされ、政治を人々の熱い心の中に取り戻したい。(M)
2006年05月03日更新
▲最上部へ戻る
[HOMEに戻る]

人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people★jimmin.com (★をアットマークに)
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.