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編集一言2004年06月ログ

米軍が居座る限り、暫定統治政府移行後も戦闘の泥沼化は避けられない
 潮の流が少し変わってきたのではないか。イラク戦争でいえば米軍のファルージャ掃討作戦から、アブグレイブ刑務所の虐待・拷問の発覚で、局面は全土的な民族的レジスタンスに変わった。ベトナム戦争のソンミ村虐殺事件がそうであった。道徳的敗北から軍事的敗北へと連動した。
 暫定統治政府移行後も主力軍の米軍が居座る限り戦闘の泥沼化は避けられないと思う。ブッシュの危機は小泉の危機へと連動する。北朝鮮拉致家族の帰国で小泉は点数を少し稼いだが、国会の年金騒動では世論の政治不信、国家不信に火がついた。参議院選の政党への期待度で民主党(32%)ははじめて自民党(30%)を抜いた。(6月7日報道ステーション調べ)。
 その裏に「有事関連7法案、3条約批准」の自・公・民合意の法案成立が抱き合わせであることは無気味だ。年金制度への不信は、政府と国家への不信である。制度の一元化や掛け金の引き上げ、支給水準の引き下げで済む問題ではない。
 世直しの問題である。昔なら百姓一揆の場面だが、騒動は天変地変ではなく人間がやることだから、周到な準備もいるし犠牲も覚悟しなければならない。世直し一揆は秩父農民戦争以来起きていない。先人たちはどのようにして一揆を準備したのか。学ぶべき時期に来たのではないか。(F)
2004年06月29日更新
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石原慎太郎がまたもあきれた妄言
 政治家の妄言(本音)続きのせいか、余り問題にならなかったが、かの石原慎太郎が産経新聞で「日本もパレスチナ人に沖縄の島を開放して、国家樹立を提案するくらいのことを考えたらどうか」と宣うた。いくら「妄言の大家」とはいえ、さすがに絶句。
 この程度の認識しかない輩が「歴史」や「民族」を強調するのだから、もう絶望的…。いや待てよ、小泉だのブッシュだののことまで考えたら、死なねばならぬことになってしまうか? 「参院選近し、度し難い政治家共に鉄槌を!」と言いたいところだが、自民党の「相対的圧勝」の気配。平和日本万歳!もう嗤うしかないか…。(つ)
2004年06月26日更新
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不当逮捕の3名が保釈
 自衛隊官舎に「イラク派兵反対」のビラをポスト入れして、不当に逮捕されていた立川テント村の三人が、ようやく保釈された。二ヶ月半にもわたって、身柄拘束された三人には、本当に「お疲れさまでした」と言いたい。
 自衛隊が「暫定移駐」という形で、立川にやって来たのは七二年のこと(自衛隊監視テント村が誕生したのも同年)。移駐は、住民の意向を全く無視する形で強行され、しかも市側への「通告」があったのは、わずか四〇分前のことだったという。
 いわば、それだけ国側が反戦・反基地闘争を恐れていたということだろう。それが今では「反戦ビラ」をポストに入れただけで逮捕・起訴!時の移り変わりを実感する。しかし、またこれも「反派兵」「反戦」の高まりを恐れているがゆえの弾圧だといえる。
 安保・天皇制・ベトナム・イラク反戦…と、立川の「反基地闘争」の歴史は、私たちの反戦平和の運動・思想の中で大きな位置を占めてきた。その意味から言っても、今回の弾圧は単なる一地方の出来事ではない。
 三人が保釈されたこれからが、私たち「反戦平和」側の本格的な反撃の始まりだ。(Q)
2004年06月25日更新
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イラク人捕虜虐待、次々と実態明らかに
米兵を虐待に仕向けたのは軍隊というシステムの本質
 イラク人捕虜虐待の事実が明らかになるほど、よくもまあここまで破廉恥で残酷なことができるものだと思ってしまう。何が楽しくて、拷問死させたイラク人の遺体と笑顔で記念写真に収まるのか。
 アメリカは、軍法会議により関係者を裁き始めた。しかし、米軍の組織的な関与については、全く解明なし。侵略者が、自らの罪を自らの手で裁く、という茶番。結果は、もう見えている。
 ブッシュ政権は、虐待に関わった兵士たちの「トカゲの尻尾切り」で、事を納めようとするだろう。もちろん、それは本質的な解決ではない。なぜなら、「軍隊」というシステムの持つ本質が、兵士を異様なまでの暴力に駆り立てるからだ。
 現在、イラクに展開している米軍兵士は「志願兵」である。彼らは軍隊に行くことによって、大学の入学金・授業料を出してもらえたり、移民であればグリーンカードが取れて自由に働けるようになったりする。それは貧しい者にとって、先の見えない貧困を抜け出すための魅惑的な選択肢だ。
 要するに、権力や金を持っている連中が、貧乏人をかき集め、自らの手を汚すことなく、イラク占領の「汚れ仕事」をやらせている、という構図はハッキリしている。
 戦争は、それに巻き込まれる民衆はもちろんのこと、兵士自身をも疎外する。
 従軍のストレスからの精神異常、劣化ウラン弾の影響が強く疑われている「湾岸戦争症候群」など、アメリカ政府が兵士を使い捨てにしている事実は、枚挙にいとまがない。
 虐待当事者の責任は、もちろん問う必要がある。しかし、肝心のイラクと占領軍の間の、抑圧と支配の構図こそが問われ、裁かれなければならない。それができるのは、戦争と占領に反対して闘うイラクの人びとであり、全世界の民衆しかいない。(小比類巻)
2004年06月23日更新
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皇太子の「宮内庁批判」発言
まるで佐渡島のトキ扱い 雅子さんがかわいそう
 「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」という皇太子の発言が、波紋を呼んでいる。
 オヤジに比べてずいぶん傲慢な感じのする皇太子は嫌いだし、高級官僚の娘で帰国子女で、東大出の雅子さんはもっと嫌いだが、今回だけは二人の肩を持ってやりたい。
 戦後の日本の象徴天皇制は、イギリスの王制をモデルにして作られた。だが、決定的な違いは、イギリスの王家の場合は、名誉革命でブルジョアジーと封建領主との妥協の産物としてその大土地所有を引き続き認められた点である。彼らは今でもロンドンのほとんどの土地を所有し、ロイヤルリアル・エステートという不動産会社を持っており、その地代だけで十分に贅沢な生活が可能である。その上で、公務として王家の役割を果たしているだけである。
 だからあの国では、皇太子も浮気をすれば、別れたヨメはんの方も大胆に不倫をしていた。自分たちの食い扶持は自分たちで持っているのだから、私生活は自由である。
 一方我が国の皇室は、天皇制ファシズムの再来を恐れた米国によって、「地主制解体」と併行して、その広大な所有地をすべて国家に没収され、それ以降は全生活を税金でまかなわれることになった。
 「万世一系」という貴種ゆえに保護されたのだから、佐渡島のトキに似ている。卵が生まれたの、それを暖めただの、雛がかえっただのと、監視され大騒ぎされるのだから、たまったものではない。トキの場合は、生まれてくるのは雄でも雌でも喜ばれるのだから、こちらの方が気は楽かも知れない。
 想像して頂きたい。朝起きて顔を洗う水も税金、メシも税金、トイレで使う紙も税金、愛子さんのおむつも税金、そして仕事といえば「他のことは何もせんでいいから、ひたすら男の子を産むように励みなさい」だけである。今はコンドームは使っていないだろうが、使うとしたらそれも税金、ティッシュペーパーも税金。普通の人に耐えられることではない。「非人道的」とはこのこと。人道的支援を必要としているのは北朝鮮ばかりでなく、皇室もだろう。
 そしてもう一つの不幸は、今の政府中枢の無理解だろう。イラクの邦人人質を救出するのに使った費用を本人たちに請求しようとするような連中だ。皇太子と雅子さんに対し「税金のムダ使いだ。早く男子を産め」と迫っているに違いない。
 小泉もダンディぶりが世のおばさん連中に人気があるが、陰では「東大出の女は気位ばかり高くて困る。子供を産むのに頭はいらない」とか、「牛や豚でもやることをやれば、ちゃんと生まれるのに」とか、人格を否定するような発言を結構やっているに違いない。こいつらこそ税金に寄生して生きているようなものだが、公務への報酬だから、でかい顔ができる。皇太子と雅子さんは公務に対する報酬がない。その結果、私生活もない。経済的自立を奪われている二人はかわいそう!(河合)
2004年06月21日更新
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小泉訪朝=北朝鮮利権に群がるゼネコンたち
 小泉訪朝-国交正常化交渉に、ゼネコンが熱い視線を注いでいる。業界最後の大型利権=1兆円のビジネスチャンスとしてだ。日本の戦後賠償=経済援助の総額は6000億とも1兆円とも言われている。これらは主に北朝鮮のインフラ整備=港湾・道路・鉄道・ダムなどの建設・整備に使われるのだが、これらの経済援助が日本のゼネコンのふところに転がり込む仕組みは、ご存じの通り。
 特に注目されているのが水豊ダムの修復工事。アジア最大で発電能力70万`hを誇る水豊ダムの補修工事は、電力が決定的に不足している北朝鮮側の意向とも重なる。西松建設・清水建設・大林組・戸田・三井・前田といったゼネコン幹部と野中広務らは”91年に現地視察を行っている。これを主導したのは、金丸信=旧経世会系列だ。
 就任当時「夜の宴会はしない」と公言していたどこかの首相。最近の首相動静を見ると、連日の宴会ずくめで、すっかり歴代首相に順応してしまったご様子。「自民党をぶっつぶす」と言って総裁となったかの人は、旧経世会をぶっつぶして自らそれに成り代わる。ゼネコン・商社の「陳情」のターゲットは、旧経世会から既に森派に移ったという。動き出した北朝鮮利権。宴会の日々はいつまで続く小泉さん?(H)
2004年06月20日更新
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米軍敗北
 5月7日、ベトナム北西部ディエン・ビエン・フーで、対仏戦勝50周年式典が盛大に行われた。いうまでもなく、越軍ゲリラが仏植民地軍を撃破した<輝かしい>戦史上の激戦である。「生者は生者のことしか語らない」とは、幾度か死地に赴いたマルローのニヒルな感懐であるが、まさに死屍累々。
 今、イラク・ファルージャの闘いも、抵抗勢力側の人質作戦と、米軍による捕虜虐待に象徴されるように、後世に残る<激戦>に違いない。死屍累々の彼方に、米軍は<軍事的>にも敗北を決定づけられた。
 米国の敗北は全面的である。<政治的>には暫定統治評議会の混迷と国連主導路線への揺り戻しに依って、<外交的>にはスペインとその旧植民地国軍のイラク撤退に依って、そして<情報管理戦>でも捕虜虐待露見と、米国民の魂に突き刺さる700を越える星条旗にくるまれた棺に依って。さらに<内政・経済>的にも、在任期間中の失業者増加と景気低迷に依ってブッシュ政権は崩壊へと突き進んでいる。
 ベトナム解放戦線は、万人単位の犠牲を払って僅か2〜3日で4桁台の敵の死者を勝ち取ったテト攻勢で、米軍を崩壊へと導いた。イラク抵抗勢力も、同じく死屍累々の彼方に反転攻勢への契機を掴み取った。ファルージャの闘いは、米軍の暴走を止めた輝かしい闘いとしてその名をとどめ、ベトナム戦争におけるテト攻勢に匹敵する戦闘として歴史に刻まれるに違いない。(U)
2004年06月13日更新
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日米メディアの違い
 ネット上にイラク人捕虜を虐待する写真が配信され始めてから、アメリカのメディアは一斉にブッシュ政権を批判する側に転向しているらしい。分かりやすい。
 一方、日本のメディアは政治家の年金未納期間を暴きたてるのが、目下最重要の政治的記事であるかのような扱い。分かりやす過ぎる。それに、嫌でも目に入るブッシュや小泉の顔など、ペラペラなくせに陰湿で不快な見世物ばかり。
 「近代的生産条件が支配的な社会では、生活全体がスペクタクルの膨大な蓄積として現れる」とギー・ドゥボールは、すでに一九六七年に『資本論』の冒頭をもじっていたけれど。(T・S)
2004年06月11日更新
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米軍兵士によるイラク人女性強姦の現場写真
五月中旬、編集部にイラクのサマワから「to my brother」というタイトルの電子メールが送られてきた。米軍によるイラク人捕虜への虐待が問題になっているアブグレイブ刑務所で、イラク人女性への集団レイプが行われている、という内容で、三枚の写真も添付されていた。
 写真には、迷彩服を羽織り、顔も迷彩ペイントした複数の兵士らしき三人の男たちが、女性のこめかみに銃を突きつけながらレイプしている現場が写されている。場所は、ものが散乱し、壁には大きな砲弾の痕も見られる。
 送られてきた写真の信憑性はまだ確認できていないが、CIAの拷問マニュアルの中にも、「女性へのレイプ」を指示する項目があり、米軍による集団レイプ行為が組織的に行われていることは広く知られることとなっているし、アメリカ議会に提出された捕虜虐待の写真のなかにもレイプ写真が含まれているようだ。
 また、当の米軍内部でも男性兵士が女性兵士を襲うというレイプ事件が頻発している。二月二五日、アメリカ上院の小委員会で、国防総省の高官は、イラク・アフガニスタンと、その近隣諸国に駐留している米軍部隊の中で、過去一八ヶ月間に、陸軍が八六件、空軍が八件、海軍一二件、海兵隊六件の強姦・強姦未遂、あるいは性的暴行があったことを明らかにした。
 虐待があったから「占領反対!」なのではない。イラクの人々の尊厳を踏みにじり、食い物にするための戦争であり、占領だからこそ、このような虐待・レイプが行われるのだ。自衛隊を含むすべての占領軍は即時イラクから出て行け!(編集部 小比類巻)
2004年06月07日更新
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アフガンからの難民申請者=バキル氏はなぜ自殺を図ったのか
 今年の四月一五日、東京のUNHCR(国連高等難民弁務官事務所)で、一人のアフガン難民申請者が、カッターの刃を自ら飲み込み、自殺を図るというショッキングな事件が起きた。
 自殺を図ったムハマド・バキル氏は、アフガニスタンでタリバン政権による迫害を逃れて日本に来た難民申請者。彼は日本で難民と認められず、法務省を相手に「難民不認定取消訴訟」を提訴していたが、先日敗訴。そして、入管に収容される恐怖から、国連に助けを求めたが、国連の担当職員が、彼との面会を三時間遅らせた上に、すっぽかそうとしたことに対して逆上し、彼はカッターの刃を飲み込むという暴挙に出た。
 「入管、ホントに怖い。私は難民。犯罪者じゃない。誰も助けてくれない。日本の人は優しい。でも、政府は厳しい」。
 日本の難民認定数、及び難民に対する保障のレベルは、依然として先進国最下位を誇っている。イラクに人道支援などする前に、自国で自殺をする難民を救うのが先決ではないだろうか。(T)
2004年06月05日更新
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為政者にも国民にもあきれ果てる
 イラク人質事件で国から飛び出した「自己責任」論。為政者どもは、己が発言を恥ずかしいと思わないらしい。そもそもは自衛隊派兵という、まさに戦争当事国の一方に荷担したから派生した事態なのだから、事件が国によって引き起こされたのは明白である。まず政府は謝罪せよ。
 それよりもまして、国が「国民を守らない」ことを明言したことにあきれる。国家は、いかなることがあろうと国民を守る「建前」があるからこそ存立しうるのである。それを放り投げてしまっては、為政者どもが国家に居座れるはずが本当はないはずだ。為政者どもは、「それでも国民は支持する」と思っているから発言しているのだ。舐められている。
 国民年金の未払いで国会がくだらなくもめている。「忘れていただけだ」とか「制度が複雑だからね」とか強弁する為政者ども。でも、作って押しつけたのはお前らではないか。そんな言い訳が通用するはずがない。きっと奴らは、「通用する」と思って発言しているのだ。腹がたつ。
 ええい、腹が立つ。どんな恥ずかしい発言をしようが、どんなことをやらかそうが、「国民」と呼ばれる輩は為政者どもを許すから、こんな事態が生じるのだ。常識も良識もへったくれもない。大人な態度なんか無意味だ。まさに「造反有理」なのだ。先のことなど考えず、政治家も「国民」も全部、くしゃくしゃのぽいだ!とやってしまいたい。そんな衝動に駆られる今日この頃である。(K)
2004年06月03日更新
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