日本赤軍・重信房子さんの逮捕に当たって |
弾圧への厳重な警戒と
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●編集部アピール |
2000年 11月15日
通巻 1060号
去る11月8日、日本赤軍の重信房子さんが大阪府高槻市で逮捕された。折しも本紙では重信さんの中東レポートを連載中であったため、逮捕直後からマスコミの取材が殺到、読者の方々からも問い合わせ、心配や激励の声が寄せられた。それに応える意味も含めて、今回の事態についての経過、本紙の基本的立場、見解を明らかにしておきたい。
まず、本紙が重信さんのレポートを掲載するにようになったのは、本紙1007号(1999年4月15日号)5面「拝啓 日本赤軍・重信房子様」で、中東レポートの寄稿を呼びかけたのがきっかけである。それに応えて重信さんから99年9月5日付けの第一報が届き、以降、今年10月25日号(1058号)まで9回のレポートを掲載してきた。
本紙が寄稿を呼びかけたのは、「グローバリズム」の現状の下で「世界各地の闘い、現状を広くかつ具体的に捉え返し、その中から日本と私たちのありようと課題を明確にしたい」との趣旨に基づくものであり、それ以上でもそれ以下でもない。「こちらまで記事を呼びかけてくるのは記事が足りないのかなあ……などと余計なことを考えつつ」寄せられた重信さんのレポートは、読者のみなさんもご存じの通り、パレスチナ・アラブ人民の視点から揺れ動く中東情勢を鋭く分析、紹介するものであった。本紙の一方的アピールに快く応え、困難な状況下、的確なレポートを続けてくれた重信さんにあらためて心から感謝したい。
次に、日本赤軍と本紙との「関係」について。本紙は1970年代初頭に「アラブ赤軍」のアピールを初めて掲載して以降、日本赤軍の声明やアピールを寄せられたものは全て紙面で紹介してきた。それは、立場や党派を問わず様々な問題を紙面を通じて多くの人々に紹介し、相互批判・論議の場を保障し創り出していくという「大衆政治新聞」としての本紙の原則に基づくものである。中でも特に、1977年の5・30声明「団結をめざし、団結を求め、団結を武器としよう!―5・30リッダ闘争五周年によせて」の総括提起については、日本の革命運動の前進にとっても欠くことのできない重要な提起だと考え、これを支持し、紙面だけでなくパンフレットやブックレットにして多くの人々の論議を呼びかけてきた(こちらに再録)。その立場については未だに微塵の変更もない。
警察・公安はこうした私たちの原則的立場を「日本赤軍との組織的関係」とねじ曲げ、度重なる不当捜索、尾行や周辺への聞き込み・デマキャンペーンなど、陰に陽に悪辣な弾圧を繰り返してきた。しかし、私たちはいかなる弾圧にも屈せず、新聞の原則、思想・信条・表現の自由と読者の「知る権利」を守り抜いてきたし、これからも守り抜いていく。
重信さんの逮捕に当たって、マスコミは時代や闘いの「終わり」を印象づけようとしているようであり、「元左翼」や「左翼評論家」もまたそれに類するようなことをコメントしている。本紙への取材でもそうした質問が多かった。が、それは彼らの主観的願望に過ぎない。それこそ重信さんのレポートで言えば、パレスチナ人民は文字通り死をも恐れず投石で重火器と闘い続けている。人民の闘いはこれまでも続いてきたしこれからも続く。「団結をめざして」にあるように、その確信に基づく重信さんの闘いにもまた「終わり」はない。中東であろうが、日本であろうが、獄中であろうが……。私たちはその確信の方を支持するし、今後もいつでも紙面を提供するつもりである。
最後に、私たちは今後予想されるであろう無差別の弾圧への警戒と反撃を呼びかけたい。かつて1987年末に同じく日本赤軍の丸岡修さんが国内で逮捕された際、警察・公安は本紙も含めて全国300ヵ所に及ぶ不当捜索を強行した。弾圧の対象は全く無関係な市民運動にまで及び、明らかに赤軍を口実としての全国のさまざまな運動の「実態調査」、弾圧というべきものであった。今回もそれに勝るとも劣らない規模の弾圧が予想される。特に近年、盗聴法をはじめとして弾圧・管理体制が強化されており、違法・不当な捜査が繰り返されることになるだろう。言うまでもなく、こうした弾圧はひとり日本赤軍だけに向けられたものではなく、全国の闘う人々への弾圧でもある。
厳重な警戒と、断固とした反撃を!
反撃の第一歩は徹底した暴露!
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