2001年 5月15日
通巻 1076号
田中真紀子が自民党の総裁候補3人を「軍人」「変人」「凡人」と呼んだのは何年前だったか。「軍人」と「凡人」はあの世に逝って、残った「変人」が首相の座を射止めた。「変人」を担がねばならない程に、自民党は追い詰められている。ここがポイントだ。
ハンセン病患者の国家賠償訴訟での控訴断念も、彼らがどれほど追い詰められているかの証左に他ならない。拍手し支持する人々に冷水を浴びせるのは独りよがりに過ぎよう。もっと主張すればよい。もっと要求をぶっつけていこう。
「所詮は自民党」「改憲論者」「危険な政治家」とレッテルを貼って、異常な支持率に恐れをなすのもバカげている。支持の高さと失望は紙一重。支配の構造を変える意志のない「変革者」が抑圧者となるのも歴史の必然。人々の眼は鋭く、的確だ。
支配の枠組みが揺らぎ始めてきたのだ。これまでのやり方が通用しなくなり始めた。その変化の主因が、我々の側の力の強化にないこともまた、明らか。彼らが自分たちで作り出した社会を制御できずに、自信喪失に陥っていまのだ。
今こそ、じっと押し殺して口をつぐんで言わずに我慢してきた要求をぶっつけてみよう。「おかしいやないか」―この一言から世界が変わる。
(M)
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