2001年 5月5日
通巻 1075号

 ワタシはニッポンに永く住む異邦人であるが、ニッポン人とはよく分からない性質をもった民族だと、最近つよく思う。何が正しくて、何が間違っているのか。社会の多様化で、勧善懲悪では済まなくなってきている、とだけではちょっと説明しようがないことがある。

 小泉某の内閣支持率を、森某の内閣支持率をひっくり返したような数字にニッポン人はしてしまったが、あれはいったい何なのだろう。こんな馬鹿げた話はない。小泉某という人はついこの前まで、森某の内閣を支えていた森派の会長だったということを、多分、ニッポンのみなさんはご存知ないのであろう。「私は派閥を抜けたから、よい人です」という論理にうなずくのでは人がよすぎるし、現に政権担当政党の自民党の代議士が変わったわけではないのだから、なおさら信じがたい。選挙による国民の審判も与えようとしない人を、どうしてニッポン人は信じようとするのだろうか。

 改憲問題にさらされている現行憲法の大きな柱は「主権在民」であった。ゴケンを言う人は憲法がニッポンに浸透しているというが、この事件はそうではないことを物語っている。それなら、ニホン人には今の憲法をいじらせない方が世界にとって安全であると、ワタシは思う。
(異)

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